9月10日(金曜日)

感染制御の問題点

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 多剤耐性アシネトバクター・バウマニの問題が、新聞などで取りざたされています。多剤耐性菌とは、多剤耐性遺伝子を獲得した細菌であり、抗生物質が効かない為、免疫力が落ちている人にとっては脅威となる菌です。
 もともと日和見感染の原因菌として、病院で免疫力の弱った人に見られていた菌でしたが、今回の感染は多剤耐性菌であるために問題となっています。
 ちなみに、アシネトバクター・バウマニは、乾燥に強く、生活環境の中でも生きていける弱毒菌です。普段はそんなに悪さをする菌ではないのですが、条件によって病気をおこし、今回はそれが集団で起きたということです。
 さて、今回病院がこの問題にきちんと対応していなかったというような報道がなされています。感染制御担当者数の不足や、担当者の業務内容を問題視している報道もありました。東京都も国もすでに立ち入り検査をしていますが、あえてここで私なりに疑問を列挙したいと思います。
 疑問1.感染制御担当者は、その専門家として、日々専念しているのか。
 疑問2.感染制御担当者の仕事に保険診療の点数はついているのか。
 疑問3.東京都の病院は疲弊しているために、何か想定していない問題が起こると対処がおくれるのではないか。

 また、考えられる問題点として、
 1.実際に患者が出た場合、大部屋で出た場合は個室に移し、その後の患者数によって、パズルをはめるように、患者の部屋移動がおこるのではないか。
 2.病院側が、感染症を疑われる患者をリスクが高いと考え、受け入れなくなる可能性がある。

 他にもいろいろとありますが、私は、亡くなられた患者さんには心からご冥福を祈りつつ、今回の事件を機に東京都の医療の建て直しをするべきだと考えています。病院の医師は、本当にがんばっています。病院・医療関係者・患者の幸せを考え、私は東京の医療をよりよいものとするため、一層研究をすすめ、納得のいく施策を打ち出したいと考えています。

(写真は東京都医師会・東京病院協会の予算ヒアリングの様子。本文とは直接関係ありません)