9月17日(金曜日)

子ども政策勉強会

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 9月10日金曜日、東京大学医学系研究科准教授・森臨太郎氏をお迎えし、「わが国の子どもの健康をめぐる政策課題」と題したテーマでお話を伺うことができました。
 先進諸国におけるこどもの福祉ランキングを示され、オランダ、スウェーデン、デンマーク、フィンランドなどが高く、驚いたことに米国や英国はもっとも低い国にあげられていました。日本は、データを出しておらず、ランク外となっている報告を受けました。物質的な豊かさも、わが国は24か国中18位であり、貧困や物的欠乏はわが国では大きな問題であることがわかりました。
 また、わが国の乳児死亡率はOECD諸国内でもっとも低いのですが、低出生体重児が占める割合がもっとも高いということでした。また、普通は新生児死亡率と幼児死亡率は平行するらしいのですが、日本は新生児死亡率は大変低く、幼児死亡率(1-4歳)が米国についで高いということでした。その理由として「小児救急医療体制の不備」、「対策が遅れている事故や虐待死亡」、「医療技術や保険皆制度により、難病の赤ちゃんが延命され、死亡時期がスライドしている可能性」という考えがあるそうです。
 幼児死亡率を明らかにするためには、「チャイルドデスレビュー」が必要であり、諸外国ではすでに法制化されているところもあるそうです。東京都は監察医務院がしっかりしているので、これに関しては、政策として考えてもいいのではないかとおっしゃっていました。しかし、日本人の死生観にもかかわってきますので、難しいかもしれません。
 虐待についてですが、虐待が疑われて、通報することには、医師はいささか躊躇されるそうです。もし間違っていたら・・・と思うと、なかなか警察に通報はできないということでした。しかし、東京都には「子ども家庭支援センター」が各区市にひとつずつ整備されており、虐待などの相談もうけています。疑いがあれば、児童相談所か子ども家庭支援センターにご連絡いただければいいのですが、横のつながりがないことで機動性をそこなってしまっていることが本勉強会で判明しました。諸機関をつなぐ役目を引き受ける存在が必要だと認識しました。
 もちろん、児童相談所に連絡しても、そこで適切な対応をしてもらえなければ、どうしようもないのですが、「疑わしきは罰せずではなく、疑わしきは、一時保護」の精神で、尊い命を救ってほしいと思います。
 次に「子ども家庭省」についてですが、先生は「子ども家庭省」のある国(州)を多く視察されたことがあるそうです。そこから、子ども家庭省が独立してあると、厚生・福祉分野との業務が分断され、一概に子ども家庭省があることがいいとは言えないとのことでした。しかし省があると、明らかに子どもに対する注目度はあがるそうです。社会が子どもに目を向けることで、虐待を防ぎ、子どもが幸せを感じる社会になっていくのかもしれません。
 先生には非常に多くのデータを示していただき、東京における子ども施策に関するご示唆をいただくことができました。ここでは詳しくご紹介できませんが、小児の救命救急センターなどの配備などについても、ご教授いただいています。医療圏と生活圏が異なっている現状でいかにこどもの命を救っていくか私自身考えさせられました。今後の政策立案に活かしてまいりたいと思います。