馳星周さんの「アンタッチャブル」

_IMG_1440 先日、タイトルの作品が第153回直木賞にノミネートされました。今回は芥川賞候補の又吉直樹さんの「火花」が注目を集めていますが、私は馳星周さんの「アンタッチャブル」を読んでみました。彼は今から20年くらい前に彗星のように「不夜城」で現れました。この作品を読んだときのことを覚えていますが、小説の展開と描写に喉がからからになりました。もちろん、舞台である歌舞伎町や大久保の街並みを頭の中で思い出しながらでした。
 それから、彼も多くの作品を発表されたのでしょうが、私にとって2作目になる「アンタッチャブル」は500頁の大作で、直木賞に選ばれることを期待しています。それにしても、芥川賞と直木賞の選考過程は分かるのですが、それぞれのノミネートは誰がしているのでしょうか。文藝春秋の社員さんでしょうか。
 さて、帯の裏側にも載っていますが、「数多くのトラップの果て、前代未聞の大どんでん返しまで、一気読み必至!痛快コメディ・ノワール!!」との文章はなかなか良くできています。ですから、喉はあまり乾くことはなく、展開も早いので、確かに一気読みできます。
 ところで、いわゆる警察小説の舞台のほとんどは刑事畑がほとんどでしたが、いつのころからでしょうか、公安(その大半が警視庁公安部)の世界がどんどん登場しています。これは、テレビドラマや映画も同様です。公安セクションはなかなかの人気ですね。関係者も喜んでいるでしょう(≧∇≦)
 また、公安部と言っても幅広いセクションがありますが、“外事”が舞台になっていることが多いようです。まあ、小説やテレビ、映画の世界ではそれでないと面白くありませんから。ただ、実際の公安組織はむしろそれ以外の部門が重要と聞いたことがあります。代々木に本部のある政党や新左翼諸党派ではあまりにもリアリティーがありますから仕方ないことは分かります。まして、ある宗教団体に対して今でも視察を行っているかどうかは・・・。
 そして、小説の中身に文句を言うつもりはまったくありませんが、日本共産党を視察対象にしていないという主人公の台詞は相手を信用されるために口から出たことでしょう。かなり以前のことですが、公安関係者が、「過激派などは出囃子に過ぎない。真のご本尊は日共だ」と言っていたことが忘れられません。