この作品はどうでしょうか

no2shinkokuritsu 京都市郊外の伏見桃山陵に眠られている明治天皇もこれでやっと落ち着かれたのではないでしょうか。大帝の業績を末永く残していこうという趣旨で造られた“明治神宮外苑”に突如として不時着した宇宙船のような建物の見直しが始まったからです。
 さて、私も一所懸命に応援した2016東京オリンピック・パラリンピックは結果、リオデジャネイロに敗れてしまいましたが、そのときのメインスタジアムは“国立”ではなく、東京都が晴海ふ頭に建設することになっていました。当時、都議会民主党は、「そんな交通の便利の悪いところで、海風の影響も心配される場所に造ることはいかがなものか」と主張していました。
 また、同時に現在はほぼ更地になりましたが、国立競技場を全面改修して利用すべきだとも言っていました。それに対して石原慎太郎都知事(当時)は、全面否定しないものの、「法律的な問題があり、建て直すことはできない」と答えていました。ところが、どのような理由かそれが可能になりました。もちろん、結果的には良かったわけです。
 ところで、政府などは大急ぎで建設計画を見直すとしています。国際的な約束ですから当然なのですが、ここであの奇妙な宇宙船案が決まった2年前の11月15日に戻ってみたいと思います。今はいろいろな問題が指摘されている「新国立競技場基本構想国際デザイン・コンクール」の審査委員会の結果を受けて、これまた批判されている「国立競技場将来構想有識者会議」で決定したわけです。
 しかし、ここで決まったのは最優秀賞の宇宙船だけではなく、優秀賞1点と入選1点も選ばれています。前振りが長くなりましたが(≧∇≦)、今日の完成予想図はそのときの優秀賞です。オーストラリアの建築士の作品だそうですが、なかなか良いと思いませんか。しかも、1位になれなかった理由が、「スポーツの聖地である国立競技場としての祝祭的な高揚感、強いメッセージ性に欠けるのではないかという印象が残り、優秀賞となった」と説明されています。
 いやいや、これって「シンプルすぎて面白くない」っていうことでしょう。でも、現在の状況ではIOCの会長さんも言われている通り、むしろ、この要素が大切なので、皮肉っぽいことですが、この選択肢が重要な要素になっています。多分、費用的も工期的にも“Simple is Best”しかありませんね。
 もちろん、国際的な契約のルールやこの作品を提供したオーストラリアの事務所との約束などもあるでしょうが、少なくてももっとも心配されている前述のお金と時間から考えれば、有力な選択肢になるのではないでしょうか。