山口組分裂の真相と東京の治安悪化

 京都の独立系任侠団体「会津小鉄会」(指定暴力団)の分裂は小康状態を一応、保っているようですが、ここにも、一昨年8月末に起きた山口組分裂の影響があります。つまりは、山健組弘道会の代理戦争とも伝えられています。しかし、その構図も間違いではないのですが、どちらかと言うと、オール神戸山口組vs弘道会のようにも感じます。
 さて、「菱の代紋~山口組に隠された最大禁忌」が発行されました。いわゆる実話系ではなく、山口組の元有力組長の自伝や告白本でもありません。かなりの取材力というか、情報力がある著者と思われますが、トーンとしては一環して“神戸山口組”側に立ち、弘道会、特に現在の三代目会長を批判的に描いています。
 ただ、少し厄介なのは組織名は出てくるのですが、個人の名前は語られていないことです。例えば、上述の弘道会三代目は竹内照明さんですが、その記載はありません。それどころか、山口組当代の司忍さん(本名:篠田建一さん)、府中刑務所に服役中の高山清司さん(山口組若頭)も同様で、五代目時代の最大のタブーの出来事も、双方の中野会の中野太郎さん(当時の山口組若頭補佐)、宅見組の宅見勝さん(同・山口組若頭)の名前は組名だけで個人名は一切登場しません。理由はよく分からないのですが、正しく理解するためには、そばに組織図を置いておくと良いですね。
 もとに戻りますが、その最大のタブーですが、舞台は“新幹線の停車駅でもある当該再開発地帯は、世界的も有名な古都にあった”と始まり、“歴史的要因と政治的背景から、当該地区は不条理な扱いを受けており”(後略)と書かれています。この場所がどこなのか、それは「京都駅南口一帯」であると私の友人は教えてくれました。
 そして、この“最後の土地バブル地帯”の利権を巡って両組織が対立(銃撃戦により10名以上が死傷しましたが、何故か報道はほとんどされませんでした)し、中野太郎さんが床屋で襲撃され、そして、その報復として宅見勝さんが新神戸駅近くのホテルで暗殺され、中野会が山口組から絶縁される経過が詳しく書かれています。これらのことは確かに五代目時代の禁忌だったと推測されますし、六代目誕生の隠された因縁にもなっているようです。
 ちなみに、中野会と宅見組は山口組同門で、ここに山健組や中野会会長への襲撃犯とされる冒頭の会津小鉄会も絡んでいたそうです。また、地上げの資金供給をしていた消費者金融は倒産した“武富士”と思われますし、本書でのM銀行は当時の三菱銀行でしょう。
 それから、若頭が不在になり、五代目の渡辺芳則さんも棚上げされ、司忍さんがその後継になるのですが、この辺りから分裂の炎がくすぶり始めたと記されています。それは、「仁義」を重んずる神戸山口組と「掟」をそうする六代目山口組の大きな差異だったそうで、別の言い方ですと、「義をもって和と成す仁義」「服従と沈黙の掟」と表されています。なるほど。
 その他にも、神戸山口組と六代目山口組の“総本部”の持ち方の違い、抗争事件後の裁判費用や慰労金、中部国際空港建設工事の伴う利権、七代目と目されている弘道会会長の資質と人間性、若頭の高山清司さんの支配構造、司忍さんの過去の振る舞い(実名はなし)、かなり批判的に評価され、同時に被害者でもあると哀れんでいる極心連合会会長の橋本弘文さん(統括委員長)のこと、渋谷駅周辺大規模再開発&東京五輪利権、東京での六代目山口組系組織の実態、歓楽街での不良外国人の勢いと両山口組以外の代紋との連携などなどです。
 私はヤクザ世界を1ミリも肯定するものではありませんが、分裂によりその間隙をアジアやアフリカの不良外国人が入り込み、“理屈も文化も通じない略奪主義”(本書)が跋扈し、それにより、東京の治安が悪化していく現状を直視しなければならないと強く感じています。
追記:昨日、もう一つの「七代目会津小鉄会」が立ち上がったようです。神戸山口組と違って「京都」が付いておらず、まったく同じ名称になり、分かりづらいですね。これからは、「七代目会津小鉄会(金子利典会長)」または「七代目会津小鉄会(原田昇会長)」と表記するのでしょうか。昔の全学連のようです(^∀^)

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