北朝鮮の挑発には乗らない

 国会では衆参それぞれの委員会でやっと、北朝鮮のミサイル脅威について論議が行われました。“日報”問題もありますが、野党もこればっかりやっていると、ますます国民の皆さんから飽きられてしまうのではないかととても心配です。
 ただ、まったく無能で、そもそも安全保障について関心のない、防衛問題が理解できない大臣が辞職し、かなり安定感のある小野寺五典さんがその任に就いたのは、北朝鮮の挑発が続いている中で唯一の救いです。何と言っても、答弁で野党の相手を褒める余裕さえあるのですから。
 それで、衆議院の委員会などで、「北朝鮮が弾道ミサイルを島根県、広島県、高知県の上空を通過させると予告している。この地域にはPAC-3が配備されていない。どうするんだ」と質問していました。正直なところ、今更ながらという気もしますが、愛媛県を含めて配備されていないことは事実です。ミサイルが落ちてくる可能性は大変低いのですが、対応を急ぐのは当然ですね。同時に高射隊と発射機群の数を増やさない限り、都市部の迎撃態勢が手薄になることの覚悟も必要です。
 しかし、この質問は北朝鮮ベースにはまっていて、大変僭越ですが、危機意識が足りないと言わざるを得ません。それは発射場所が日本海に近いからそうなるのであって、半島反対の黄海側から打てば、九州各県も危険地域に入ってきますし、ロシア国境付近からなら、香川県や徳島県もそうなります。北朝鮮はあくまでも通過するだろう県を伝えているだけであって、発射基地を発表しているわけではありません。
 ですから、既存配備の地対空誘導弾ペトリオットミサイルを移動するならば、北朝鮮の言っていることだけを信じ切って実行するのは、すでに彼の国の心理作戦に乗ってしまうことになります。感心している場合ではありませんが、敵を撹乱させる能力は抜群の独裁国と独裁者ですから、こちらも細心の注意が必要です。
 また、なぜかほとんど報道されませんが、北朝鮮は弾頭に何を搭載するかは言っていません。過去から、とりわけ今年になって連射しているミサイルの弾頭の中身は空っぽです。ここに通常爆弾を載せるのか、核爆弾を載せるのか、はたまた、相当な量を持っていると指摘されている生物化学物質なのか、それらのことを考えておかなければ、国民の皆さんの生命と財産を守ることは到底できません。
 それから、迎撃態勢ですが、わが国のイージス艦は日本海での任務で手一杯ですし、グアム島までの弾道軌道では撃ち落とすことは不可能と思います。となると、太平洋に展開するアメリカ海軍のイージス艦のSM-3で迎撃するか、それに失敗すれば、アンダーセン空軍基地のTHAADを使うでしょうし、最終的にはPAC-3で完璧に防御するでしょう。
 いずれにしても、北朝鮮は用意周到でしたたかです。これは米国も同じですが、私たちは憲法前文にある「平和を愛する諸国民の公正と信義に信頼して」、安全保障問題についての議論が不足していたように思うのです。度重なる国連の制裁は皮肉にも猶予期間を与えてしまい、この間に核実験やミサイル開発が進んでしまいました。ここにきて一からやり直すことはできませんが、策源地攻撃(究極の専守防衛)もタブーとしないで、対応を急がなければなりません。“存立危機事態”の認定には至らないことを願っていますが、安保関連法案を改正&新設しておいて良かったです。(写真出典:航空自衛隊)

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