安倍総理が賃上げ3%を明言

 少し前に開催された安倍晋三さんが議長でもある経済財政諮問会議で、「経済界では来年の労使交渉で3%の賃上げを是非、前向きな取り組みをお願いしたい」と発言されました。首相が賃上げ要請するのは5年連続ですが、具体的な数値を示したことは初めてです。
 それで、“官製春闘”というフレーズはマスコミが作ったのでしょうが、私はあまり好きな響きではありません。首相は賃金と可処分所得の継続的拡大の視点からお願いしたいと言ったので、労使交渉に介入しているわけではありませんし、実際、その労使交渉で「お互いに頑張って欲しい」と期待しているわけです。
 ところで、安倍さんの要請はすり合わせは当然あったと思いますが、民間議員の学習院大学教授・伊藤元重さんの『民間議員3名は3%の賃上げの実現について提案する』との提案を受けての対応でした。あとお二人は東レ株式会社相談役の榊原定征さんとサントリーホールディングス社長の新浪剛史さんです。
 そこで、私は思いました。確かに榊原さんは一企業の相談役としてこの会議に参加しているのですが、経済界の総本山・経団連の会長でもいらっしゃるので、イコールでないにしても、限りなく“わが国の経済界”を挙げて3%賃上げを目指しているのだと。若干、願望も込めて申し上げれば、来年の賃上げの最低ラインが3%に設定されたということでしょう。
 もちろん、経済や企業の指標は見る角度によって、希望的にも、絶望的にも捉えられますが、“景気”というくらいですから、できれば明るく考えたいものです。また、国会の日程はよく分かりませんが、働き方改革に関連する法律(労働基準法)改正審議も、新しい勢力図のもとで与野党ともにしっかりとやっていただきたいと思います。
 なお、安倍さんは「賃上げは、もはや企業に対する社会的要請だと言える」とも言い切っています。私の勝手な解釈ですが、企業の社会的責任であれば、労使交渉のもう一方の当事者である労働組合も社会正義の実現と組合員の生活水準の向上がいつになく重要になっているようにも感じます。
 僭越ですが、わが国で民主的な労働運動を推進されている産別や労組の皆さんにも頑張っていただき、「よーし!そちら(政府と使用者)が3%なら、現場でまじめに働く仲間たちのために、こちらは最低でも5%を勝ち取るぞ!」との意気込みで交渉に臨んでいただければ嬉しいです。

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