もはや「官製春闘」どころではない!

 私は“官製春闘”という言い方はあまり好きではありませんが、安倍晋三さんの来春の賃上げにかける意気込みがすごいことになってきました。もう“執念”のようでもあります。しかも、一連の展開の関連性がかなり計算されていて、何が彼を動かしているのかと勘ぐってしまうほどです。
 それで、先日もお伝えした経済界に3%賃上げ要請したのに続き、今度は法人税優遇措置を持ち出してきました。端的に言えば、「社員のお給料をアップしない、設備投資をやる気のない企業には、優遇措置は止めるので、そのつもりでね」となるでしょう。
 そして、「でも、両方やれば税金をまけてやるよ」と同時にあめ玉を持たせることも忘れていません。いったい、誰がこんなことを考え出すのでしょうね。しかし、ここまでくると、脅しというか、社会主義国家の統制経済のようですし、経済界からの評判はよろしくないようでもあります。
 それから、何らかの理由で業績が低下している企業はその制度の例外としたり、賃上げをした中小企業には減税し、さらに汗をかいた中小企業には減税額を増やすということも打ち出しています。こんな政策は民主党政権を含めて歴代の政府、というか、首相では初めてではないでしょうか。極めて異例なやり方です。
 また、安倍さんはわが国の賃上げにトヨタ自動車の影響力が非常に強いことを知っていて、実際、選挙応援で愛知県に入ったとき、トヨタの会社幹部に賃上げの要請をしています。“そこまでやるか!”という感じです。
 ただ、トヨタの賃上げが関連企業や自動車産業に良い意味で影響をあたえるのは問題ありませんが、それを超えて、日本全体のあらゆる産業、特に流通や小売業まで波及するのはいかがなものかと思います。儲かっている会社でも、トヨタが渋るとそれにならい、その逆では無理をして賃上げをすることは、それぞれの産業や企業にとって、あまり良いこととは思えません。
 いずれにしても、安倍さんや政府にとって、来年春の賃上げはデフレ対策の正念場になりますが、連合や各産別、単組にとっても大切な交渉になると思います。先日の総選挙で自民党筆頭副幹事長の小泉進次郎さんが以下のように叫んでいました。少し長くなりますが引用します。
 「本来、賃上げ交渉を拳を振り上げてやるのは労働組合のはずですよね。しかしそれを今、国をあげてやっているんです。だとしたら何で労働組合は自民党を応援しないで野党を応援したままなのか。そして労働組合は連合が束ねていますが、本当に労働者の代表は連合ですか。私は違うと思いますよ。なぜなら連合の組織率は17%。何で17%の人たちが代表なんですか。今までそうだったから慣例的に代表としてやっているだけで、今の世の中の多くの労働者の代表だとは、とても言えるもんじゃないと思います」
 労働組合という組織をまったく分かっていない支離滅裂な発言ですが、そんなつまらない、空虚な連合批判を打ち負かすためにも、連合に結集するすべての執行部や役員の皆さんには頑張っていただき、政府や経済界が望んでいる以上の賃上げを必ず勝ち取ってください。
 小泉ジュニアになめられるのは我慢なりません。僭越ですが、区議選と都議選で一所懸命に私を支えていただいた連合を熱烈に応援させていただいています。今こそ、真に労働者の味方であり、民主的労働運動を牽引する連合の出番ではないでしょうか。現場で働く多くの仲間たちが期待しています。
(写真は連合のフェイスブックからお借りしました)

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