大幅賃上げを勝ち取ろう!


羽田空港からの“タクシー定額料金”はなかなかお得感があっていいですね。先日、台湾から帰国し、いつものようにこのタクシーで自宅まで送ってもらいました。そのときの会話です。


「乗務員さん、もしかしたら、営収(営業収入:売り上げのこと)が少しずつ上がっているのではないですか?」
とお聞きしました。営収というフレーズはこの業界以外には使いませんので、私のことを関係者と思われたのでしょうか。「ええ、実はじわじわと増えています」と答えてくれました。


そして、このタクシー会社の労働組合は連合傘下の産別に加盟していることも知っていましたので、「組合にも頑張ってもらいたいですね」と私が言うと、「そのとおりです。安倍さんでも3%ですから、特に来年は組合にも期待しています」と明るく話されました。


捉え方は様々ありますし、官製春闘などという言い方は好みませんが、総理大臣が賃上げを強く財界に要請して、経団連もそれをそのまま加盟企業にお願いするという構図ですから、前述のタクシー乗務員さんの意見が大多数の民間労働者のそれを代表しているように思います。


もちろん、「大企業のように中小では難しい」という実態は、私も一桁の組合員しかいない労組も加入しているゼンセン同盟(当時)で働いていたので、そのことは良く分かります。しかし、その一方で、大きな企業が数字を出さなければ、絶対に中小の経営者はそれを上回る賃上げはしません。

つまり、中小は依然として厳しいとか、企業の将来の収益性が不安であるという理屈は了解できますが、少なくても来年の春季生活闘争ではそれらを乗り越える必要があると思うのです。それだけ、組合員の執行部に対する期待が高く、同時にそれに応えることができなかった場合の空気がとても心配です。


また、同様に組合員と執行部の風通しのこともちょっと不安なこともあります。少し前にわが国を代表する運輸産業会社で、すごい金額の残業代が支払われていないことが判明しました。もし、その現場での事実を組合が把握していなかった、できなかったとすれば、その組合の執行部や役員の責任は免れないでしょうし、知っていて放っていたとすれば、言語道断の人たちになってしまいます。


写真の連合中央委員会で、会長の神津里季生さんは言われました。「賃上げは上がるものであるという常識を取り戻すことが重要だ」。僭越ですが、まさにそのとおりです。旧同盟系のスタンスを維持している私が言うのも変ですが、「賃上げは取れるときに取る」という姿勢も間違っていないように感じています。


今日のタイトルは何やら左翼労働組合のスローガンのようになってしまいましたが、経営者の皆さんも自社の給料を上げれば、消費、可処分所得が伸び、回り回って、その会社の売上が増えることは分かっていると思います。その意味でも、組合が現場の組合員から「今年は執行部が頑張ってくれたな。やっぱり、組合があって良かった」と評価される絶好の機会でもあるでしょう。


最後にストライキのことです。死語になってしまったような争議用語ですが、最終的に聞く耳を持たない、役員と株主の利益しか考えていないようなとんでもない経営者に対しては、伝家の宝刀の用意をしておくことが必要かもしれません。来年こそは“官製春闘”と呼ばれることにお別れしましょう。一線を引いた私が申し上げるのは生意気ですが、連合と傘下の産別、単組の皆さん、頑張ってください!