「官製春闘」を打ち破れ!

今日のタイトルは何やら新左翼機関紙の見出しみたいになってしまい、申し訳ありませんが、私が少し気になっているのは、マスコミがためらいもなく、“官製春闘”という造語を使っていることです。連合会長の神津里季生さんも「抵抗感がある」と言われていますし、多くの労組役員や執行部の皆さんも同じ気持ちと思います。

それで、とても残念なのですが、その官製春闘の傾向は今年、特に強まっているように思います。第一には首相の安倍晋三さんが具体的に“3%”という具体的な数字を示して、経済界と労働界に強く要請したことです。次にそれを受けて、経団連は傘下の企業に同じことをお願いしました。

ここまででも異例のことなのですが、今度は経団連がそれを文書にする方針案をまとめたということです。春闘に向けての基本指針となる「経営労働特別委員会報告」のことなのでしょうが、いくら総理大臣の要請といっても、以前は“できるだけ賃上げ率を低く押さえる”ことが任務みたいな経済団体だったわけですから、驚くべき方針転換でしょう。

しかも、働き方改革で労働者の残業代が減少することの対策まで提案していますし、パートさんなど非正規雇用社員の労働環境を向上するため、“同一労働同一賃金”への取り組みを上げて、何と!「正社員との不合理な処遇格差の解消を徹底する」とまで主張し始めました。あとはそれらをきちんと実現してもらわなければなりませんが、ここまでくると、労働組合の議案書に書いてある内容とほとんど差異はありません。

私は労使対等(あるいはやや緩く“労使協調”)という思想で産別や単組でも活動してきましたので、それがどちらからの提案や要求であれ、お給料が上がり、時短や休日増加などにつながれば、それで良いと思っています。もちろん、生産性を上げていくことも重要です。

そして、今から予想することは不謹慎なのですが、来年の春季生活闘争が終結したとき、現場で一所懸命に働いている組合員の皆さんが、結果をどのように考えるのか、捉えるかがとても気になります。その意味でも、官製春闘などという嫌な響きから脱するためにも、連合とそこに結集するすべての産別の執行部の皆さん、役員の方々のご奮闘を僭越ながら、大いに期待させていただいています。

やはり、何としても「今年の賃上げは組合が頑張ってくれた!」と感じてもらわなければなりません。間違っても、「な~んだ、安倍さんの思惑どおりになっちゃた」では官製春闘が定着してしまいますし、ここで状況を打ち破らなければ、労働組合(運動)が冬の時代に入っていってしまうような気がします。

最後に神津会長の一言を載せさせていただきます。「(賃上げなどは)労使交渉でしか結果は得られない」。官製春闘は来年春でお別れしなければならないと思います。政府や経済界が提唱する3%以上の大幅賃上げを勝ち取ろう!今こそ、連合運動の底力を発揮する絶好のチャンスだ!
(写真:今年2月の連合中央総決起集会・連合ホームページから引用)

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