ストライキの準備を怠らない

今日のタイトルでは、「労使協調路線が基本の門脇は左旋回したのか」、「民社・同盟育ちの門脇の発言か」などと声が聞こえてきそうですが、もちろん、そうではありません。人の考え方はそう簡単に変えるべきではないでしょうし、実際、そんなに単純に変えられません。思想とか信条とかは特にそうだと思います。

私は長い間、特に議員活動に入る前には、旧・同盟系の産別(産業別組合連合体)と単組(企業単位組合)で、多くの先輩の配慮もあり、労組専従も務めさせていただきましたし、議員に就任してからもその基本路線に変更はありません。現在は一線から引いていますが、それはまったく同様です。

ですから、労組というか、労働者のいわば最後の権利であるストライキ(争議権)については、組合員の意見(投票)をきちんと集約して、執行部も慎重の5乗くらい慎重に行使しなければならないと考えてきました。もう少し分かりやすく申し上げれば、「ストライキはできる限りやらないほうがいい」となります。

でも、今年は少し状況が異なっていて、“官製春闘”などいう嫌な言葉が独り歩きし、政府が経済界に賃上げを要請し、さらに加盟企業にそれをお願いしています。春闘を巡る風景もずいぶん変わってきたなと思います。であるとすれば、現場で働いている組合員の皆さんの意識も変わりつつあるのかなとも思います。

ここのところがけっこう大切で、先日もお伝えしましたが、春闘が一定の時期に終わったとき、組合員が組合や執行部に抱く想いがどうなっているのかです。官製春闘とは今年こそお別れしなければなりませんし、繰り返して恐縮ですが、「やっぱり、うちの会社に組合があって良かった!」と思ってもらう絶好の機会でしょう。

それが逆になってしまえば、組合運動は文字どおり、冬の時代に入ってしまうのではないか、組合員から信頼を失ってしまうのではないかと危惧しています。昨年夏、宅急便大手企業で230億円もの残業代未払いが明らかになりました。その会社の労務方針が大問題ですが、同時に労組がそのことを知っていても、知らなかったとしても、どちらにしても大問題で、“誰のための組合なのか”との批判は免れないでしょう。

さて、ストライキは前述のとおり、できるだけやらないほうがいいのですが、いつでもその準備をしておくこと、とりわけ、春闘時にはそれを怠らないこととはまったく矛盾しません。経営者が「うちの組合はストなんて絶対にやらないから」と、表現は良くありませんが、なめられたら終わりです。そのことは、結果的に企業の発展を阻害するものでもあります。

また、“ものづくり”ではありませんが、ストライキの技術継承も重要ではないでしょうか。これはストを経験していない組合も同様で、経営者が著しく組合要求に理解がなく、組合を敵視する(残念ですが、そのような人たちも少なくありません)とき、「さあ、ストライキで闘うぞ!」と立ち上がっても、やり方が分からないでは話になりません。ストを打つということはけっこう難しいことで、会社側の悪徳労務屋や組合潰しを生業としている弁護士とも対峙しなければなりません。

この辺りのことは、単体の企業別労組が主体的に行うものでしょうが、やはり、上部団体や連合などのナショナルセンターの地域組織のお手伝いが必要です。その意味でも、特にストライキということではありませんが、産別と連合の各地域組織の役割はいつになく重要になっているような気がします。

最後になりますが、労働組合の組織率は17.1%まで落ち込み、6年連続で過去最低になったそうです。これでは、自民党の小泉進次郎さんはますます調子に乗って、連合批判を強めるでしょう。限りなく面白くないことですし、生意気な言い方ですが、あの演説を聞いて悔しがらない人に労組リーダーを務める資格はないように感じます。

連合も加盟産別も一所懸命に仲間を増やす活動をしているのでしょうが、自民党に対して、経済(経営)団体に対して、経営者に対して、本質的な強さを見せていかなければならないでしょう。それが結果的に、良好な労使関係を作り、生産性を上げる王道のように思います。リストラを得意げに実行する経営者、会社の労務部門の出先になったような労組に明るい未来などあるはずがありません。
(写真は昨年の連合中央集会)

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