「自治労」の賢明な判断

先週にお伝えしようと思っていて忘れていました。それは、全国の自治体(都道府県や区市町村など)で働く人たちの労働組合・自治労(全日本自治団体労働組合・約79万人)が、来年の統一地方選挙や参議院選挙では立憲民主党支持を決めたことです。もちろん、今ある民進党への支援も継続するそうですが、残念ながら、希望の党はほぼ蚊帳の外のようです。

それで、とても僭越ながら、まさに時代と状況を読んだ賢明な判断であると思います。この組織の責任者の委員長さんは、「立憲の綱領、基本政策は自治労の政策、運動方針とおおむね一致できる」と言われていますが、組合員を代表した率直なお考えでしょう。原発や辺野古移転、安全保障問題、憲法改正など、私の考えとは大きく異なりますが、この辺りの政策も両者は一致しているようですから、整合性や今後の取り組みにも齟齬が出ることはないでしょう。

しかし、今回の決定は特段驚くことではありません。昨年の総選挙で彗星のように現れた立憲民主党ですが、その選挙のとき、物心両面の援助をしていたのは自治労と言われていますし、組織内参議院議員の江崎孝さんはすでに民進党からこの政党に移籍しています。自治労こそが最大の立役者であり、政党に対して口だけ大将で、「俺たちが応援してやってんだ!」と言って、その実、ほとんど何もやっていない組織とは比べようもなく立派です。

また、ほかの産別のことはよく分かりませんが、日教組や旧・三公社五現業系の組合も自治労のあとに続くかもしれません。今年は国政選挙がありませんから、立憲民主党の人気がさらに上昇することは難しいと思いますが、一定の支持率は維持するものと思います。だから、各産別の命運をかけて戦う参議院選挙では、この党からの立候補がかなり効果的と感じます。

実際、民間大手の私鉄総連はその選挙で組織内候補者を立憲民主党から擁立することをいち早く決めました。一昨年の参議院選挙では社民党を見限り、民進党(当時)から立候補しましたが、「これでやっと、俺たちと同じ考えの政党で選挙を戦える」と幹部の皆さんの喜びが聞こえてきそうです。私鉄総連の政策はかなり左派的なので、参議院選挙に向けて組織の内部が盛り上がっていくことは確実です。

そして、何度も恐縮ですが、立憲民主党は日本社会党の再生ですから、自治労の活動方針とも完全とは言えないまでも、その相性は委員長の発言通り、相思相愛といっても間違いではないと考えます。やっぱり、この辺は大変重要なことで、お互いにスッキリしたと思われているのでしょう。

政党は労働組合の下請けではありませんし、労働組合は政党をコントロールすることはできません。両者はあくまでも支持・協力関係を維持していくことが大切でしょう。これを踏み外すと日本共産党みたいになってしまいます。実際、共産党は労組内で影響力を排除されそうになると、躊躇せずに分裂させ、自分たちがコントロールできる新組合を作ってきました。

政党や労組だけのことではありませんが、いつまでも自分たちの主義主張と異なる政策など掲げるところを応援する必要はないでしょう。身体にも良くないことですし、それは結局、現場で働く組合員の期待を裏切ることになってしまいます。今回の自治労の決断はその意味でも正しいものと思います。(写真:Googleマップ)

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