JR東労組は革マル派が支配?

民進党参議院議員の川合孝典さんの「JR総連系労組への浸透が指摘され続けている革マル派の現状と実態に関する質問主意書」に対して、政府は「JR総連と東日本旅客鉄道労働組合(JR東労組)内には、影響力を行使し得る立場に革マル派活動家が相当浸透していると認識している」を主旨とする答弁書を決定しました。

実は今から8年前と7年前にも同様な質問と答弁が行われています。このときの質問者は自民党の衆議院議員で、答弁者が内閣総理大臣の鳩山由紀夫さんと野田佳彦さんでした。今回は前述のように質問者は民進党で、答弁者は安倍晋三さんです。つまり、質問者が現在の与党でも野党でも、答弁者の総理が民主党(当時)所属でも自民党所属でも、質問者が衆議院議員でも参議院議員でも、政府の答弁はまったくブレずに同じということになります。

また、川合孝典さんは連合最大産別のUAゼンセンのご出身ですが、JR総連も連合の加盟団体です(その下部団体のJR東労組も)。そして、私も何回がお伝えしていますが、革マル派は機関紙「解放」で、これまた何回もUAゼンセンを批判しています。ちなみに、先週号の解放にも“安倍式改憲案を支持するUAゼンセン指導部”とのタイトルで記事が載っています。旧・同盟系の産別を繰り返してあげつらうことは極めて異例でもあります。

さて、民主党(当時)も自民党政府も認識している革マル派によるJR総連や同東労組(今回はこれに加えてJR北海道労組も)の“相当浸透”ですが、実態はどのくらいなのでしょうか。もちろん、明確な数字を把握しているわけではありませんが、公安関係者の方々にお伺いすると、革マル派の構成員は5千名少し、JR内のそれは800名程度ではないかとのことです。

そこで、疑問が湧いてきます。連合の公式発表によれば、JR総連の組織人員は約5万3千名、東労組のそれは会社の有価証券報告書によると4万4千名弱となっていて、かなりの割合がJR東所属の組合員となります。それでは、5万以上の労働組合を千人以下の活動家でコントロールできるかということです。

私は同盟系での活動経験しかありませんので、階級的、旧・公社系労働運動のことは分かりませんが、国鉄OBの皆さんにお聞きすると、“十分可能で、実際に革マル派は今までも、現在でもしっかりと組合を指揮下に置いている”と異口同音に言われています。続けて、“それは革マル派の組織力もあるが、会社の責任も大きい”と無念そうに話されていました。

しかし、その会社も労務政策を大きく転換させているようで、今後のJR東の労使関係から目が離せませんし、この組合では組合員が大量脱退しているとの情報もあります。これが事実とすれば、連合内のJR連合と対立するJR総連の立ち位置にも大きな変化があるかもしれません。

なお、上の数字を見ていただくと分かるのですが、JR総連内では圧倒的に東労組の組合員が多く、それ以外では、文中の北海道、元々の運転職場であるJR貨物が革マル派の影響力があると言われているようです。逆に言えば、東海、西日本、九州、四国でのそれは限られているか、ほとんどゼロということでしょう。4つの組合は「JR連合(約8万名)」が完全なメジャーになっています。

今日の記事の最後になりますが、答弁書にはこの党派について、「共産主義革命を起こすことを究極の目的としている極左暴力集団であり、周囲に警戒心を抱かせないように党派性を隠して基幹産業の労働組合等各界各層への浸透を図っている」とあります。

世界最大級の旅客鉄道会社の労組がなぜ、革マル派の強い影響下にあると政府が公式に指摘しているのか、立憲民主党代表の枝野幸男さんとJR東労組や革マル派との関係などは次の機会にお伝えしたいと思います。

(写真出典:Googleマップ 新宿区早稲田鶴巻町にある革マル派の解放社ビル。拠点と言っても“公然部門”のそれで、非公然部隊のそれはどこになるのか分かりませんし、警察ががさ入れしても、組織を分析できる資料などはまったくありません。下2枚の写真はイメージで、本文とは関係ありません)

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