すべては共産党の意のままに

世界一退屈な会議である中国の全人代(全国人民代表大会)政協(中国人民政治協商会議)が開催されています。今までも毎年、この両会についてお伝えしていますが、日本の新聞やテレビでは、全人代を国会に相当と報道しています。別に中国共産党におもねっているとは思いませんが、これは明らかに間違いで、少なくてもわが国の国会とはまったくの別物で、いつまでこんな表現を使っているのでしょうか。だいたい、国会が開かれている会場の一番目立つ場所に選挙で選ばれていない共産党の最高幹部が鎮座している光景がそもそも異常です。

さて、開会中の全人代は共産党の決定を追認するだけの機関に過ぎませんが、今年は5年に一度の党大会のあとですから、いつもよりは注目されています。お題としては、国家主席の任期が今まで2期(1期は5年)までだったのを廃止すること(決定済み)、王岐山さんが国家副主席に就任することの二つが焦点になっているようです。あとはいつものように、全国3千人の代議員が楽しみにている首都・北京での公費観光旅行です。

それで、国家主席は彼の国にとっては象徴的な位置づけで、共産党総書記と党中央軍事委員会主席に比べてもかなり軽い役職です。ただ、習近平さんが外国に行ったり、国内で賓客を迎えるときは国家主席という名前を使いますから、どうでもいいということでもありませんし、この場合は元首でしょう。

ちなみに、あまり報道されていませんが、国家主席のお世話をする弁公室(事務局)は何と!共産党中央委員会内にあります。これだけでも、国家主席も共産党の指導のもとにあることが分かります。なお、国家主席を選出したり憲法を改正する全人代もすべてが共産党の決定に従うだけの機関で、政協に至ってはあってもなくても誰も困らない不思議な組織です。中国は西側諸国の民主主義とは異なった統治制度を目指しているようですが、いずれにしても、酷いものです。

そして、国家主席の任期撤廃ですが、これは2022年の次期党大会での総書記の選出に大いに関係があるようです。総書記は党中央委員会や政治局の責任者ですが、その大会で習近平さんは69歳になり、前例に従えば引退となります。それを避けるために全人代で前触れをしておいたのでしょう。つまり、総書記や党軍事委員会主席を3期以上やるということですし、それまでに、さらに態勢を強化できれば、いよいよ、総書記から「党主席」へのバージョンアップで、これをもって、文句のない「核心」となります。

このように見てくると、昨年の党大会で69歳の王岐山さんはとりあえず引退しましたが、なぜか、全人代の議長団のお一人としてひな壇に座っていたことが理解できます。つまらなそうなお顔でしたが、ヒラ党員に過ぎない方がここにいること自体が、これからの中共の権力闘争の勝ち負けがはっきりしたようにも思えます。相変わらず、国務院総理のリカちゃん(李克強さん)は直属の部下が落馬してしまいました。会議では習近平さんに目を合わせてもらえませんし、元気がなくて可哀想です。

それから、前々回の党大会から僅か4年半で、どうして習近平さんがこれだけの権力を握ることができたかですが、やはり、徹底した汚職の摘発でしょう。中国共産党には9千万人近くの党員がいるようですが、最高幹部から末端まで一人の例外もなく、袖の下をもらっていました。これは彼ら彼女らにとってはいいとか、悪いとかではなく、私腹を肥やすため、出世をするために入党したのですから、当然のとこです

しかし、習近平さんはこの長く続いた美味しい歴史を逆に利用することで、政敵を狙い撃ちすることができました。なぜなら、全員が非合法財テクをやってきたのですから、“あいつ、邪魔だな”と思えば、誰だってお縄にすることができたわけです。

また、もう一つの大会である政協のお偉いさんには、国家監察委員会という党員以外も取り締まる秘密警察ような組織も立ち上がりましたから、やる人がいなくなってしまうようにも思います。解放軍もどうなんでしょうか、少なくても賄賂はかなり上手くやらないと懐には入らないでしょう。勝手に武器を外国へ売り渡すこともかなり難しくなっているようです。

最後に今日のタイトルと記事のとおり、すべては共産党の意のまま物事が決まっていきますし、人民解放軍(武装警察も)は国家の軍隊ではなく、中国共産党所属私軍です。人民の蜂起により党独裁が危なくなると、戦車でその人民を轢き殺すことをいとわない軍隊です。その軍隊の特に空軍、海軍、ロケット軍がすごい勢いで拡張しているのですから、わが国もそれに耐えられる政府と軍事力、法体系が必要と思います。

(写真上:こちらのほうがはるかに重要な中共三中全会で、全人代の直前に開催され、すでに案件はすべてここで決定済みです 同左下:全人代 同右下:政協)

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です