JR東労組の脱退者は過半数を超えた模様

少し前に「JR東の労使関係が完全に破綻か」とのタイトルで駄文を載せましたが、その中で登場する私の友人の見立てを公安関係者に見せたら、「このボリュームでよくまとまっていて、分かりやすいです。どこに所属している方ですか」と聞かれましたが、もちろん、答えませんでした。同じ組織の方ですとちょっとまずいですからね。

さて、JR東はダイヤ改正も終わり、その現場での評価はいろいろあるようですが、春闘も決着しました。茶化すつもりはまったくありませんが、「組合を脱退すれば6千円のベア獲得だ!」と揶揄する意見もあると聞いています。6千円は組合費のことでしょう。ちなみにJRは過去、公営企業体だったこともあり、現在でも“オープンショップ制”です。

それで、報道がほとんどなく不思議なのですが、気になるのは脱退者の数でしょう。依然として情報は交錯していますし、脱退届を分会や支部単位で一括保留しているところもあるようなので、正確には分かりませんが、どうやら、過半数(2万2千名)は超えたようです。前述のようにダイ改と春闘が一段落しましたので、今後、脱退のペースが上がるのか、落ち着くのか余談を許しませんが、個人的には拍車がかかると思っていますし、東労組の牙城である乗務員職場(運転手&車掌)でも脱退が始まっているようです。

また、そうなると、「新しい組合が立ち上がるのか?」がさらに気になりますが、今のところ、目立った動きはないようですし、会社も不当労働行為を恐れていますから、しばらくは様子眺めなのでしょう。言っても詮無いのですが、脱退者の受け皿として、JR連合系の組合(ジェイアール・イーストユニオン:僅かに130名)の影響力がほとんどないことが痛いです。

一方、国労(東日本本部)が俄然元気になってきました。運動論はともかくとして、民営分割化のときにあれだけの抵抗をして組合員が激減しましたが、今でも4千人以上の組合員が残っていることに驚きましたし、当局の国労に対しての態度も浦和電車区事件あたりから変化しているようです。また、国労が最近、「国労呼びかけチラシNo.3」を出しましたが、そこにははっきりと“差別はなくなり加入者増加中!”と書かれています。実際、助役などに昇進することも増えているとのことです。

“増加中”といっても、ここ30年間で約200名ですから、全体では微々たる数字ですが、東労組の組合員の半分くらいは過去に国労に所属していましたので、在職の長い人たちは国労に戻っている可能性もあるでしょう。ちなみにその同じチラシには、「国労も動員などをお願いする事はあります。しかし強制や、不参加などを理由に追求することはありません」と書いてあり、不謹慎ながら失笑してしまいましたし、東労組を脱退したときに賃金から組合費控除を停止する方法も丁寧に解説されています。

さらに、革マル派と鋭く対立する中核派の影響力が強いと言われている千葉動労(国鉄千葉動力車労働組合)ですが、会社への批判は相変わらず凄まじいものの、東労組が減退する状況に、「この日が来るのをずっと待ってきた。いよいよ俺たちが本領を発揮する時が来た。闘う時は今だ!」と嬉しさを隠しきれないようです。確かに30年は長かったでしょうが、ほかの地域の仲間を含んでも175名ですから、組織拡大はかなり難儀かもしれません。

それから、JR東労組本部、東京&八王子&水戸地本、高崎地本、東北3地本、横浜や千葉などそのほかの地本の立ち位置がけっこう変化しています。再度、友人に確認したのですが、彼は「これは革マル派独特の戦術で、今後、どのような展開になっても、革マル派の影響力を温存できるように動いている」と言っていました。

感心してはいけないのでしょうが、民主党政権、自民党政権のどちらからも、「JR総連とJR東労組内には、影響力を行使し得る立場に革マル派活動家が相当浸透していると認識している」と指摘されるだけあって、組織温存を最優先でやってきたことはさすが思ってしまいます。そう言えば、最新刊の警察庁“回顧と展望・警備情勢を顧みて”にも同様なことが記載されています。

最後になりますが、来年の参議院議員選挙のことです。JR総連やJR東労組は組織内として「田代郁(たしろかおる)」さんを2016年に当選させましたが、一昨年の同選挙では落選してしまいました。来年夏の参院選へ向けて捲土重来を目指されているようですが、立候補するのかどうか、どの政党で戦うのか注目されます。私は立憲民主党で勝負することが一番いいと考えますが、その立憲民主党の代表である枝野幸男さんは件の政府答弁書に経済産業大臣として閣議署名していますので、悩ましいところかもしれません。

また、彼は松崎明さん(故人)の秘書をされていたそうですが、実際には敵対するセクトの襲撃から松崎さんの身を護るボディーガードだったと、ある公安関係者が教えてくれましたし、民営分割化の前後、動労出身の役員の盾となって鉄労(鉄道労働組合:民社・同盟系)の人たちが移動などのとき、嫌々付き添わされていたとも聞いたことがあります。

もちろん、私にはそれらの真意は分かりませんが、そんなことも含めて、JR東の労使関係から目が離せません。これからの推移によっては、JR北海道、同貨物、JR総連に加盟するJR関連企業の労組にも大きな影響が出る可能性が高くなるでしょう。それにしても、あのとき、鉄労出身者にもう少し指導力があったら、こんな悲惨なことにはなっていなかったと悔やまれます。

もう、JR東日本・東日本旅客鉄道株式会社を一流企業と称することは無理がありますし、この会社はお金を儲けることしか考えていないようです。ですから、就職を目指している学生にもあまり人気がありませんし、現在は労使関係のドロドロを報道されることを会社が抑えているようですが、いずれ明らかになれば、利用者や学生からさらに敬遠されるでしょう。結局は会社内エリートが自己保身のために、指摘されるような組合と馴れ合ってきたことが一番の原因だったという見立てに私は納得してしまいます。
(写真:メーデー中央大会で情宣活動を行う革マル派)

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