意外とちゃんと機能している国会

今日のタイトルですが、正確には「国会」ではなく「国政」ということでしょうか。昨年から1年数カ月間の国会の状況を嘆いている人たちが、「いつまでモリだ、カケだって、やってるんだ!野党は仕事しろよ!」と言っています。以前には左派の大きい声だけが注目されていましたが、数年前からは月刊誌の売上部数や集会の動員数などで、保守系や右派の皆さんの行動力が増してきているようです。

これには左派の皆さんも、「なんとかしなくては!」と焦っているようです。出版界でも実際、「月刊Hanada」や「WiLL」はけっこう売れていますが、岩波書店の「世界」などは風前の灯火ですし、ネットの世界でも同じようなことが進行しています。形勢が逆転するまでにはなっていませんが、彼ら彼女らの影響力を過小評価することは避けるべきでしょう。

また先日、国会前でラップが大好きな市民団体の抗議行動に別の政権擁護側の市民団体が“抗議”していました。過去にはあまり見かけなかった光景ですし、昨年の総選挙のときも、「安倍はやめろ!」のプラカードを「安倍さん、頑張れ!」の横断幕で囲んでいました。私はどちらにもシンパシーを感じませんが、時代は明らかに変化してきているようです。

さて、近隣のわが国に好意的ではない三つの国々のことを意識すれば、「国民の生命と財産を守ることが国(会)の最大の使命なのに大丈夫かな」とずっと思っていましたが、よくよく、昨年の通常国会からの流れを考え直してみると、そんなに危惧しなくてもいいのかなとも思い始めています。つまり、予算は今年もすでに成立が決まっていますし、いわゆる“働き方改革”もそんなに急いで成立させる代物ではないでしょう。

ただ、安倍さんの肝いりで取り組んできた働き方改革には、悪質な使用者への罰則も含まれていますので、すべてがダメという改正案ではありません。しかし、今回の騒動は首相自身が、「私や妻が(不正に)関係していたのであれば、総理も国会議員も辞める」と気色ばんだことがそもそもの原因です。気持ちは理解できますが、「重要なことなので、きちんと調べて後ほどお答えします」と言っておけば、野党や一部の新聞の「これで安倍の首が取れるぞ!」とはならなかった思います。

これも普通に考えれば、「あれだけ安倍さんが怒って、国会議員まで辞めると言っているんだから、多分、無罪だろうな」と諦めるのですが、安倍さんが憎くて憎くて仕方のない野党や新聞はそうは思わず、「どんな手段を使っても粉砕するぞ!」となり、今日に至っているのでしょう。一方、加計学園の問題は入試倍率が20倍を超えてしまったので、シーンとなってしまいました。やっぱり、この地域に獣医学部は必要だったのですね。新入生の皆さんは今までの風評に負けず、動物や飼い主さんたちのために頑張ってください。

また、昭恵さんは闊達な行動を萎縮させる必要はありませんが、警戒せずに胡散臭い大嘘つきと一時期とはいえ付き合ってしまったのは非難されてもしょうがないでしょう。ですから、首相も昭恵さんも何の関係もなかったことが明らかになった現在でも、上述のことは自業自得というもので、大いに反省してもらわなければなりませんし、再びこんなことが起こらないように制度改革を急いでもらいたいです。いつまでも不毛な議論を聞いているのも嫌になってきました。

それから、影響を受けたこともなくはありませんでした。それは財務大臣の麻生太郎さんが、アルゼンチンに開かれた主要20カ国・地域財務相・中央銀行総裁会議を欠席せざるをえなかったことです。しかし、これも思ったほどそんなに大きなブレーキにはならなかったようです。国内問題も大切ですし、財務省というお家の大事ですから、結果的には仕方なかったでしょう。

なお、大幅値引きの提案は、近畿財務局ではなく、大阪航空局からなされたようです。今後、財務大臣同様、国土交通大臣からもその過程を聞いてみることも必要になるかもしれません。それから、先日も同じことを申し上げましたが、隣接する公園がどのような経過で売却されたのかにも関心が深まってきます。こちらも、国交省のかかわりが少なくないでしょう。

本題に戻りますが、この間、厳しさを増す安全保障・防衛については言われていほど隙間を与えることはなかったようです。イージス・アショアにしても、F-35戦闘機にしても、陸上総隊や水陸機動団にしても、要の防衛は着々と進められています。すべて完璧とは言えませんが、専守防衛と文民統制のもと、彼の国々に対する防衛態勢には穴がないようにバージョンアップされています。また、好き嫌いは別として、アメリカ大統領との良好な関係もしっかり維持されているようですし、その宿敵である前大統領ともお寿司を一緒に美味しく食べたと新聞で読みました。

もちろん、国内問題で心配なことも少なくありませんが、それによってこの国がすぐに傾くことはなさそうです。ただ、国会の先生方には与野党を問わず、頑張っていただきたいと思います。それにしても、「内閣総辞職だ!」と一部の政治勢力が叫んでいるようですが、本当に総辞職したら、その次はどうような展望をお持ちなのか教えてもらいたいです。

ところで、昨日の野党の証人喚問はまったく迫力がなく、与党のそれは安倍さんよいしょ!みたいでくすぐったかったですし、自民党の丸川珠代さんの聞き方は下手でした。「安倍総理から(改ざんの)指示ははありませんでしたね?」ではなく、「指示はありましたか?」でしょう。答えはどうせ、「ありませんでした」で同じですから、後者のほうが答弁のインパクトが大きくなると感じました。

さらに、証人とのすり合わせはしていたはずですから、本当にこの人ってアナウンサーだったのと疑ってしまいましたし、質疑の最後に、「総理、総理夫人、官邸の関与はなかったということは、証言を得られました」と勝ち誇ったように言っていましたが、そんなことはすでに分かっていることですから、「私たち自民党もこれを契機として、公文書管理や本省と出先機関との連絡体制をしっかりと見直していきます」くらいのことでまとめるべきではなかったでしょうか。

また、共産党の小池晃さんにはちょっと期待していたのですが、悲しいかな空振り三振で、すっかりお馴染の、“これじゃー、審議ができない!”と中断させ、最後にはこれまた定番の“疑惑はさらに深まった!”と大声を発して終了してしまいました。結局は検察当局の捜査結果を待つしかないようですが、それよりも、一昨日の自由党の森裕子さん、社民党の福島瑞穂さん、民進党の矢田雅子さんが拘置所の籠池さんに面会をしたあとのぶら下がりには失笑というより、思わず爆笑してしまいました。

「(籠池さんが)嘘はあかん、嘘があかん、嘘を言ったらあかん」と喋っていたと、森さんと福島さんは嬉しそうに話していました。天下の大嘘つきの人の“嘘はあかん”にも大笑いですが、それをまるで、拘置所の住人のスポークスマンのようにマスコミに伝えるお二人は大丈夫でしょうか。これでは、漫才か漫画の世界ですし、友人は「お互いにキワモノ同士だから、波長は合っているみたい」と笑っていました。この懲りないパフォーマンスで、お二人と野党の支持は間違いなく低下するでしょう。誰が注意する人はいないのでしょうか。

ただ、お二人はその世界をずっと突っ走ればと思いますが、老婆心ながら、矢田雅子さんは少し慎重にされたほうが良いと感じました。彼女は電機連合の組織内議員であり、大阪生まれで伝統あるパナソニック(旧・松下電器)労組のご出身ですし、今回の土地売買についての特別な地域事情もご承知だと思います。ご自分で進んで現場に来たわけではないでしょうし、私の勘違いなら申し訳ないのですが、映像を見ていてそんな気持ちになりました。

それに関連して、共産党や自由党、社民党は知りませんが、民進党系3党で現在の政治状況を判断している先生方はすでに、この問題に対して距離をおいて、フェードアウトしているようです。だから、財務省幹部を呼んでの大衆団交みたいな会議では、いつも決まったメンバーしか参加していません。予算委員会や関連する委員会でも同じことです。

一方、衆議院での質疑ですが、ほぼ参議院と同じような進行だったものの、立憲民主党の逢坂誠二さんの質問は落ち着いていて、僭越ながら、なかなか良かったと感じました。特に、「事案の本当の当事者でないにもかかわらず、こうして証人喚問受けるということについて、理不尽だと思うことはありませんか」という主旨の問いの前後では、佐川宣寿さんは何度も大きくうなずいていました。質問を終わるときの逢坂さんの静かな態度にも好感が持てました。

そして、衆議院でも与党は与党ですからあんなものだったのでしょうが、逢坂さん以外の野党はほとんど玉砕状態でした。さすがに拘置所での話題は恥ずかしくて出てこないと思っていましたが、出てきました。希望の党の今井雅人さんが、「財務省の幹部から10間、隠れているように籠池さんが言っているが事実か?」と聞いていました。これって、昨年に何度も取り上げられていて、とっくに嘘だったことが確定している話ですし、逆に追及材料がまったくないことが明らかになってしまいました。

今井さんは5回も政党を渡り歩き、4回の当選はすべて比例復活というユニークな方で、おせっかいですが、これからの政治生活が気になります。なお、共産党の宮本岳志さんはまったく違う意味でいい雰囲気を相変わらず醸し出していました。腕を組んでふんぞり返った姿は彼しか演じられないでしょう。この党も失礼ながら、かなりの人材難のようです。

最後になりますが、私がもっとも印象的だったのは、佐川さんの逢坂さんへの答弁で、「現場の職員が行う案件としては大変難しい案件だったというふうに思っているんです」というところです。問題はここに集約されているように思いますし、難しいというのは安倍さんとか昭恵さんとかそんなことではなく、大阪というか、近畿地方を始めとして長い間、アンタッチャブル、タブーとされてきたことです。言い換えれば、そこを取り巻く“利権”です。ここに踏み込むのは極めて困難でしょうし、だから、誰も触れることはできませんが、そのことを一番理解しているのは辻元清美さんと福島瑞穂さんかもしれません。四つの勢力が複雑に絡み合う関西独特の闇の世界です。

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