大阪地検のリークはどうなったのか

衆議院議員の江田憲司さんがご自分のTwitterで、「大阪地検の女性特捜部長のリークがどんどん出てくる」と投稿して、けっこう話題になり、私もそのことについて記事を載せましたが、その後、不思議と静かになってしまいました。どうなってしまったのでしょうか。

それで、その江田憲司さんですが、私はお会いしたことはありませんので、人物像は不明です。ただ、いつも、「私は通産官僚だった。私は橋本総理の秘書官だった」と言われているのは覚えています。あとは以前に、TBSの“サンデー・ジャポン”によく出演されていたことも同様です。

そして、私の記事に対して彼をよく知っている方からのコメントがあったのですが、それによると、江田さんは高潔路線を仲間にも強いる人物だそうです。であれば、やはり、あの投稿は間違いなく事実だったのでしょう。友人の記者も「そんなこと、当たり前だろう」と言っていました。

でも、その新聞やテレビは“報道しない自由”をフル稼働しているようです。確かにその友人も、「だって、検察や警察からの情報もらわなければ、何も記事は書けないじゃないか。こっちだって、夜討ち朝駆けでけっこう大変なんだから」と、悪びれた感じはまったくありませんでした。

ところで、国権の最高機関である国会で、刑事事件について捜査状況を議員が質問すると、法務省刑事局長が立ち、「個別、具体的案件については捜査に支障をきたす恐れがありますので、答弁は控えさせていただきます」が定番になっていますし、警察の場合も警察庁刑事局長が出てきて同じことを言います。

もちろん、それらのことに何の異存もありません。しかし、その一方で検察官は特定の報道機関に捜査情報を流し続けていることを疑う人はいないでしょう。たまにフライングをしたり、検察に都合の悪いことを書いたり、言ったりすると、出入り禁止になります。だから、記者さんたちも検察に逆らうことはありません。

何かおかしいですよね。だって、検察は自分たちに不利になること、逆に言えば、容疑者に有利になることは絶対にリークしません。これって、明らかに情報漏えいだけではなく、明らかに「情報操作」でしょうし、冒頭の女性特捜部長のことも同様で、報道機関が、「関係者への取材によると」から「捜査機関への取材によると」と言い換えても何も変わっていません。

私はこの国の検察などの捜査機関はとても優秀だと思っていますし、検事総長の就任記者会見で、「悪いやつを眠らさない」「被害者とともに泣く検察」は本音でしょう。ただ、だからといって、一人ひとりの検察官が判事や弁護士と比較して、高い人間性や倫理観、正義感を持っているとは考えていません。

事実、件の大阪地検特捜部は今からそう遠くない2010年、まったく罪のない厚労省の女性官僚をでっち上げ逮捕し、完全な冤罪事件を作り出しました。その後、無罪が確定しましたが、検察組織トップである検事総長が辞任するという最悪の結果になりました。このときも、マスコミに対して容疑者があたかも犯罪人であるようなリークが行われていました

検事の世界だって当然、出世争いや点数稼ぎはあるわけですし、将来、“ヤメ検”で営業するときには、現役時代の活躍、評判がとても大切です。そんなことを少しだけ意識しながら事件を見ていくと分かりやすいかなと思っています。報道機関の皆さんも検察や警察ネタだけに限りませんが、浅草寺の鳩ポッポのように、口を開けて餌をもらうだけは止めましょう。

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