中核派がUAゼンセンを批判

わが国最大の労働組合の連合体である「UAゼンセン」(全国繊維化学食品流通サービス一般労働組合同盟)は来週の19日と20日、パシフィコ横浜で第7回の定期大会を開催します。UAゼンセンの組合員数は約172万人で、連合全体では約700万人ですから、いかにUAゼンセンの構成比が大きいか分かりますし、組織化(組合数と組合員数を増やすこと)がなかなか進まない現状で、数値的にはほぼ唯一、それを順調に行っています。これだけの組織で“第7回”というのは、他の団体と合併を重ね、そのたびに“第1回”になるからです。

さて、今まで何回か、新左翼(警察用語:極左暴力集団または過激派)の革マル派(日本革命的共産主義者同盟革命的マルクス主義派)がUAゼンセンに対して批判を繰り返してきたことはお伝えしました。本来、彼ら彼女らの攻撃対象は旧・総評系の組合です。総評と言っても知らない方が増えていると思いますので、分かりやすく言えば、一部例外もありますが、日本社会党の焼き直しである立憲民主党を支援し、来年の参議院議員選挙ではこの党から組織内議員を擁立する労組です。

例えば、日教組、自治労、情報労連、JP労組、私鉄総連などで、革マル派機関紙「解放」中核派(革命的共産主義者同盟全国委員会)「前進」では頻繁にこれらの産別(正確には役員や執行部)を罵っています。なお、JP労組には旧・同盟系の全郵政も加わりましたが、立憲民主党支持に舵を切ったので、今後はそのような路線を進んでいくのでしょう。

それで、少し長くなりますが、その中核派の機関紙・前進に載った文章を引用してみます。
<UAゼンセンは「労働争議の根絶」を掲げ、資本の手を借りて連合内の最大労組にのし上がった帝国主義労働運動そのものだ。昨年9月の大会で、会長の松浦昭彦が安倍による自衛隊の憲法9条明記への支持を表明した。今年は「9条改憲推進」を大会決定にして、10月連合の定期大会に乗り込もうとしている>。以上ですが、このあとにも、<しかしこんな方針は現場にはまったく下ろされていない。スカスカであり、ほんの一握りの幹部が決めようとしているものでしかない。絶対反対の闘いがある限り、なんの力も持ちはしない>などと主張しています。

私はUAゼンセン大会の議案書などを読んでいないので、現職時代にとてもお世話になった会長の松浦昭彦さんがそんなことを言われたのか、9条改憲を明確に大会で決めるのかは分かりませんが、革マル派に続いて中核派が批判を本格的に始めたことは一応、注意したほうがいいと思いますし、もしかしたら、当日の会場前に中核派の情宣部隊が登場するかもしれません。

それから、写真は中核派の動画サイト「前進チャンネル」ですが、女性は洞口朋子さんで、ご両親ともに中核派のメンバーだそうです。共産党の党員や創価学会の会員では珍しくありませんが、過激派でもそんなことがあるのですね。この前進チャンネルは宣伝するわけではありませんが、けっこう面白いです。でも、後ろのポスターに「安倍・菅を監獄へ!」とありますが、どうやって実現するのでしょうか。

また、この動画の一例に“質問コーナー”があり、「平成のうちに武装蜂起する可能性はありますか」「角材や火炎瓶や鉄パイプ爆弾はどこに隠していますか?」「公安警察の顔写真について、どうやって彼らの名前を調べたんですか?」「ご近所づきあいはうまくやっていますか?」など、それなりに答えています。また、拠点である前進社(東京都足立区松江)の見学も可能だそうです。革マル派の解放社(同新宿区早稲田鶴巻町)では絶対にありえないことですが、解放社もご近所付き合いはちゃんとやっています。回覧板を回したり、お祭りの寄付をしたりですね。

なお、近年は発生していないセクト対立“内ゲバ”では、革マル派と中核派に加えて社青同解放派(革労協)間で百名近い人たちが殺されています。また、自民党、民主党(当時)の両政権からJR総連、JR東労組に相当な影響力を有すると認定された革マル派の動向も気になります。特に今年の2月以降、そのJR東労組は大瓦解状態となり、会社側の思惑とともに今後の展開が注目されます。友人の記者は、この組合は立憲民主党への支援を強めていくだろうと語っていました。

余談ですが、立憲民主党代表枝野幸男さんがかつて、革マル派から政治献金をもらったと言っている方がいますが、これは間違いで、正確には前述のように革マル派の影響力がかなりあるJR東労組からの献金です。それにしても、約800万円とは大金ですし、衆議院予算委員会でそのことを安倍首相から指摘されたときの彼はとっても焦っていました。

そして、「あなたを支援している経済団体だって、犯罪者はいるだろう」みなたいな弁解をしていましたが、支離滅裂というか、これでは彼自身がJR東労組がまさしく革マル派の支配下にあると認めていることになります。いずれにしても、安倍さんが公安当局から詳しい説明をあらかじめ受けていたことを甘く考えていたようです。「まっとうな政治」が泣いています。すみません、最後は中核派から革マル派の話題になってしまいました。

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