「野党統一名簿」という幻想

来年4月に行われる統一地方選挙の日程も正式に決まりました。正確に数えたのではありませんが、私の友人や後輩でもある候補者は、国民民主党(以下「民民」)が8割、立憲民主党(以下「立民」)が1割、無所属が1割といったところでしょうか。もちろん、所属政党にかかわらず、頑張っていただきたいと思いますし、地方議員選挙は中選挙区制か大選挙区制なので、発表されている政党支持率とは違った議席数になるでしょう。

さて、国政の参議院議員選挙もその年の7月に執行されるでしょう。与党が圧倒的な議席を占めている状況で、私が僭越ながら応援させていただいている民民には勝利してもらいたいですが、今になっても比例区での「野党統一名簿」なるものがまるで亡霊のように語られています。民民代表の玉木雄一郎さんは、「参院選に向けて野党がまとまることが大事だ。統一名簿というのも一つの方策だ」と言われています。

でも、変な提案ですね。「だったらはじめから、民主党(民進党)は分裂しなければ良かったのに」との声が聞こえてきそうですし、立民は「そんなことすれば、逆に票が減る」と至極まっとうな、冷静な態度を取っているようです。立民代表の枝野幸男さんも普段から、「原発など正反対の政策を訴えている人を同じ仲間のように、同じ名簿には載せることは不可能だ」と発言していますので、まず、実現の可能性はないでしょうし、それでいいと思います。

やっぱり、立民は左派(左翼)抵抗政党として生き抜く覚悟を決めているので、統一名簿など蹴っ飛ばすことは当たり前のことですし、社民党や共産党もあまり乗る気ではないようです。民民もこんなことを言っていると、支持率がマイナスになってしまうのではと心配していますし、むしろ、立民や共産党からの距離をできる限り取ることが大切ではないでしょうか。といういか、これしか生き残る道はないようにも思えるのです。

それから、参議院選挙では少なくない労働組合が自前の候補者を擁立しますが、民民と立民とが明確に分かれ、応援する組合員の皆さんもやりやすくなったようです。私もお世話になったUAゼンセン会長の松浦昭彦さんは大会で、「何事もNOと言わんばかりの反対姿勢で、譲歩を引き出すことに関心を示さないのが立憲民主党だ」と言われています。これはまったく正論で、関係者に迷惑が掛かりますので、具体的に起こっていることは省きますが、民民と立民の亀裂は尋常ではありませんし、その溝はさらに深くなっていくでしょう。

そのような状況で、組合員の皆さんは政党選択が分かりやすくなったわけですが、例えば、わが国最大の単一労働組合であるJP労組の中での旧・全郵政出身の、とりわけ、全逓と激しく対立していた役員経験のある方々はけっこう悩んでいるようです。外野が口をだすつもりは毛頭ありませんし、組合の民主的決定で立民からの擁立するわけですから、手続き的にはまったく問題はありません。また、候補者選考でも過去の合併からの経緯が考慮されているようです。

ただ、全逓は当時の日本社会党を熱心にを支持していましたから、その実質的後継政党である立憲民主党から組織内参院候補を出すことになり、何となく皮肉な現実になったと、友人の全郵政出身の幹部職員は嘆いていました。もう、旧・同盟の全郵政と旧・総評の全逓(正確にはJPU)が合併してから10年以上が過ぎましたが、連合傘下のJP労組として民主党(民進党)を応援していたのですから、何だかややこしくなりました。

話題が少しそれてしまいましたが、やはり、民民の目指す道は野党統一名簿や共闘ではなく、国会や国会議員にとってもっとも大切な防衛・安全保障や憲法改正について独自色を出していくことが大切だと思います。それによって、左派市民団体や立民から、「政権を助けるものだ!」と批判されてもいいじゃないですか。

良心的な穏健な組合員はそのことで離反することはありませんし、拍手喝采とはなりませんが、けっして悪い結果にはならないでしょう。調子に乗り過ぎた言い方ですが、公明党に替わって政権内部から改革していくくらいの意気込みを持っていただきたいですし、繰り返しになりますが、市民連合などとお付き合いしていても、一つもいいことはありません。

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