アイルランド戦で思ったこと

 一昨日の興奮が冷めやらず、頭の中では桜戦士が今でも走り回っています。フライハーフの田村優さんの沈着なペナルティーゴール、ウィングの福岡堅樹さんの見事なトライ、ぜんぜん負けていないタックル、前試合とはまるで別人のようなリーチ・マイケルさんの突進などなど、終わってみれば、期待していた「番狂わせ」ではなく、でっかい、堂々の勝利でした。

 と、偉そうな、分かったようなことを言ってみましたが、私はアイルランドには負けると思っていました。ここで勝てなくても、残るサモア戦とスコットランド戦に勝利すれば、決勝トーナメントに進める、その道しかないだろうとです。表に出せない予想が引っ繰り返ってとても嬉しいです。

 それと、田村選手のペナルティーキックのとき、大観衆が波を打ったように静かになったことには驚きました。欧州のシックスネイションズなどでも、キックのときは「キッカーに敬意を払い、静かにしましょう!」みたいな電光掲示が出ますが、誰もそれには従っていません。

 そして、少し時間が経って私が印象的に思ったのは、80分が過ぎてアイルランドがその実力からしてトライも狙えるのに、タッチに蹴り出したことでした。あのとき、前に進んでペナルティーでも犯せば、点差は「7」以上になってしまう可能性を避けたのでしょう。そうなれば、ボーナスの1点は獲得できません。

 しかも、仮にトライ&コンバージョンでも7点ですから、引き分けとなり。2点がもらえますが、そう上手くはいかないケースを想定し、手堅く危険性を排除したと思います。でも、欧州ラグビー王者の誇りもあり、真横や後ろに蹴り出さず、もうひと頑張りするようにも見えたキックでした。絶妙な選択です。

 それから、気づかれた皆さんも多かったと思うことです。それは選手が入場してくるとき、先頭には自国の国旗が掲げられますが、なぜか、アイルランドのそれは2本ありました。天井から下がっていた旗も同じです。これは国としてのアイルランドとイギリス領である北アイルランドとの共同選手団だったからです。

 私たちの世代ですと、北アイルランド紛争の激しさはよく覚えていますし、何をどうしたいのかさっぱり不明のEUからの離脱も、場合によってはそれが再燃する危険性があると考えています。問題はカトリックとプロテスタントの宗教戦争ですが、それを乗り越えるのが、ラグビー選手団と言っても良いでしょう。

 ところで、載せた写真はとてもユニークですね。右側のお二人ですが、日本とアイルランドのラグビージャージが半々のものを着て応援しています。かなりしっかりしていて、手作りのようには見えません。さらに面白いのは、袖と胸に日の丸ではなく旭日旗があることです。

 ここで、私もひと言申し上げたいところですが、彼の国を引き合いに出すこと自体、スポーツやラグビーを冒涜することになるので、ぐっと堪えて止めておきます。また、必勝鉢巻きもけっこう素敵です。外国の方が「必勝」が「切腹」と書いてある鉢巻きを絞めているのには笑いましたが。

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