「厳重に抗議し、強く非難する」って?

 写真は朝鮮労働党(共産党)の機関紙・労働新聞に載っていたもので、彼の国では革命の聖地と呼ばれている白頭山で白馬に乗る金正恩さんです。同じような写真が何枚か公開されていますが、最近はレタッチの技術もかなり向上しているようです。白頭山も美しいですし、白馬もなかなか凛々しいですね。

 さて、その北朝鮮が弾道ミサイルなどをぶっ放すたびに日本政府は「北京の外交ルートを通じて、厳重に抗議し、強く非難した」と発表します。もちろん、そのことは至極まっとうなことなのですが、「厳重に抗議」とか「強く非難」とは具体的にはどのような行為なのかが気になっていました。

 例えば、「今度やったら承知しないからな!」「覚えておけよ!次はただじゃ済まないぞ!」とか言うのでしょうか。でも、そんなことを言ったって、あの国はせいぜい「あっかんべー」くらいの反応で、逆に「グズグズ言うと、ホントにミサイル打ち込むからな!」と思っているかもしれません。

 つまり、いくら気負ってみても、意気込んでみても、たとえ実験であっても、武力による威嚇にはそれに相当する武力の用意がなければ、相手は痛くも痒くもないのです。さらに、わが国の軍事力は北朝鮮のそれを凌駕していますが、正直なところ、弾道ミサイルと「核」には敵いません。

 このことは中国による尖閣諸島を巡る領海侵犯も同じことで、悲しいかな安倍総理は「日中の関係は完全に正常化した」と言わざるを得ないのです。北朝鮮からのミサイル攻撃はイージスシステムなどで何とか防げますが、中国から日本に向けられている数百発のミサイルは防ぎようがありません。

 保守層の人たちの一部は「毎日のように尖閣が侵されているのに日本は弱腰だ」と叫んでいますし、確かにそのとおりなのですが、公務員(例えば沖縄県警の警察官)を常駐するようなことは考えていないでしょう。強い相手に真っ向勝負するには、それと同様かそれ以上の実力(組織)が必要だからです。

 わが国では憲法改正の議論をするのだか、しないのだか、さっぱり分かりませんが、外国からの侵略から国民を守る自衛隊の存在そのものが、国家の最高法規である憲法に書かれていないのですから、その結果、いちばん喜んでいるのは上述のような国々でしょう。

 そう考えると、「自衛隊は憲法違反だ!」とか、逆に「自衛隊を違憲だと思っている国民はいないのだから、わざわざ憲法に明記しなくてもいい」と言っている人や政党の中国や北朝鮮との親和性がとても良く理解できます。敵とは言いませんが、批判すべき対象はこの国の中の同胞かもしれません。

 例えば、沖縄県知事の玉城デニーさんです。彼は沖縄県民の選挙で選ばれた代表ですが、「中国公船が尖閣諸島の周辺海域をパトロールしていることもあるので、故意に刺激するようなことは控えなければならない」と驚くべき発言をしました。さすがにこれはまずいと思ったのか、すぐにこの発言は撤回しました。

 しかし、尖閣諸島が沖縄県石垣市内にあることは玉木知事も知らないわけがありません。であるとすれば、彼の胸の中には尖閣諸島が日本の領土(領海も)とは思いたくないどこからかの影響があると考えても不思議ではありません。彼は人の良さそうな知事ですが、その背後にはちょっと怖いものも感じます。

 平和への願いや祈りは素晴らしいと思いますし、「日本国憲法の前文を読むだけで感動的だ!」も分からなくもありませんが、それだけではこの国と国民を守ることはできません。長く続く戦後の平和は憲法9条の賜物という人たちも否定しませんが、最大の貢献はどう考えたって「日米安保条約」でしょう。

 わが国への侵略を狙っている国には、「日本と戦っても勝てないだろう」と常に思い知らさなければなりません。まさに“戦わずして勝つ”の大原則であり、恒久平和へのほとんど唯一の道でしょう。そのような視点から憲法改正や防衛力整備をやっていかなければ、日本は戦争に巻き込まれてしまいます。

 左派や自称リベラルの皆さんは、「戦争をするための9条改正」とか「軍靴の音が聞こえてくる」とかを好んで使いますが、軍靴の音は国内ではなく、海の向こうから聞こえてきます。しっかりした議論を急がなければならないと思いますし、左派や自称リベラルの宣伝力を軽く見るのは危険なことです。