彼が襲撃したのは事実なのか?

 事件は8月21日の午後6時過ぎに起こりました。場所は山陽新幹線新神戸駅近くにある六代目山口組の最大組織である「三代目弘道会」神戸事務所(写真)前です。弘道会の本部は名古屋にあり、六代目山口組の当代はここ出身の司忍(本名・篠田建市)さんですので、いわば弘道会の現地出張所のようなものです。

 それで、襲われたのはその弘道会の組員ですが、襲った犯人の名前を聞いて、椅子から転げ落ちるくらいびっくりしました。その人は神戸山口組の若頭代行であり、「五代目山健組」の中田浩司(写真)組長だったからです。逮捕されたのは殺人未遂などで、撃たれた組員は何とか一命はとりとめました。

 それにしても分裂後、勢力は衰えたものの、あの山健組の当代組長自らが発砲に及んだというのは本当でしょうか。本人は黙秘をしているようですし、警察は認否を明らかにしていませんが、私にはとても信じられません。もちろん、当局は念入りに捜査を進めてきましたし、相当な自信はあるようなのですが‥‥。

 ところで、山健組は三代目山口組の田岡一雄組長のもとで若頭を務めた山本健一さんが初代ですが、「日本一の親分(田岡さんのこと)の下で日本一の子分となる」は有名な言葉ですし、イケイケの山ちゃんと称されるほどの武闘派組織でした。「山健にあらずんば山口組にあらず」がそれを象徴しています。

 それから、五代目山口組の渡辺芳則組長も山健組の出身でしたし、とにかく、神戸でも、刑務所でも山健だらけという時代があったようです。しかし、分裂して神戸山口組ができたあとは、六代目山口組に押されて元気がなく、その焦りがあったのかもしれません。

 そのことが理由だったのか、親分自ら実行することで内部の結束を図ったのか、それとは異なる特別の事情があったのかなどは分かりませんが、謎の多い事件であることは間違いありません。もしかしたら、「組員に殺らせて、どうせ使用者責任を課せられるなら、自分で殺る」かもしれません。

 いずれにしても、このクラスの大物の逮捕は兵庫県警だけの判断だとは考えづらいです。警察庁の意見を聞いているでしょうし、六代目山口組と神戸山口組を特定抗争指定暴力団に“格上げ”するのも時間の問題かと思います。警察庁内部でも「互いに喧嘩させて消耗させろ」派は少数になっているのでしょうか。

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