総理が施政方針演説で「台湾」と明言する

 中国河北省武漢市から邦人希望者全員の帰国を安倍総理が表明し、チャーター便のめどもついたようです。この疫病の詳細はまだ不明なところも多いのですが、日本政府としては迅速な対応だと思います。同時にその地域を危険レベル3にいち早く引き上げたのは正しい判断でしょう。

 さて、少し前のことになりますが、総理大臣の安倍晋三さんが国会での施政方針演説の中で「台湾」という国名を明言しました。復興五輪のホストタウンを紹介する一節でそのことは起こりました。まずは釜石市がオーストラリアのホストタウンとなることを紹介し、その次に一呼吸置いて力強く「岩手県野田村は台湾!」と叫ぶように言ったのです。

 そしてこのとき、怒涛のオッー!という声が上がり、万雷の拍手が起こりました。もちろん、そのことは少なくても与党には事前に通知していたと思います。しかし、肝心なのはタイトルのように、極めて異例のことではありますが、もっとも大切な国会演説で「台湾」と言い切ったことです。

 また、それに対して先の選挙で見事に総統(大統領)に再選された蔡英文さんも「『台湾』という言葉が日本の国会で大きな拍手を浴びたのは実に嬉しいことです!」と日本語で伝えてくれています。わが国では20以上の自治体が台湾のホストタウンを希望していたことも明らかにしてくれました。

 それから、当選の翌日に蔡英文さんは台北にあるアメリカ大使館(米国在台湾協会)の所長と日本大使館である日本台湾交流協会の会長に会われています。名称は所長、会長ですが、大使とまったく同職で、台湾がいかにアメリカと日本を重視しているのかが分かります。

 また、外務大臣の茂木敏充さんも「台湾は我が国にとって、基本的な価値観を共有し、緊密な経済関係と人的往来を有する重要なパートナーであり、大切な友人」と過去の外相(河野太郎さんを除く)ではあり得なかったコメントを堂々と発表していますし、アメリカの国務長官(外相)も同様でした。

 ところで、安倍総理は野に下っていたとき、台湾を訪れていますし、私もその場の国賓大飯店にいました。日台両政府はとぼけていますが、蔡英文さんが東京に来られたとき、ホテルの一室で短期間の秘密会談も行っています。両国の関係はますます強化されていくことは間違いありません。

 台湾とは残念ながら正式の国交はありませんが、逆に国交があっても、わが国に次々と嫌がらせを仕掛けてくる国もたったの1カ国ですがあることも事実です。ただ、だからといって、台湾とこの国とを比べることは厳に慎むべきです。そのなことをしたら、中華民国(台湾)と人民に失礼というものでしょう。

 なお、このところ、蔡英文さんのことを取り上げることが何回かありましたが、それは台湾の人民が正当な選挙で彼女を選んだからです。つまり、特にグリーンチームを贔屓にしているわけではありません。ブルーチームにも友人はいますし、彼ら彼女らの考え方を理解できることも少なくありません。