習近平さんは両会を開催できるか?

 感染症に苦しんでいる中国ですが、あと3週間ほどで全人代(全国人民代表大会)政協(中国人民政治協商会議)という二つのビッグイベントが開催される予定です。どちらも、重要な会議には違いないのですが、それまでにすべての議案などは中国共産党(中共)が決めていますので、それを形式的に追認するだけのつまらないものです。

 そして、これまで何回かお伝えしているとおり、日本の新聞などは「国会に相当」と何の注釈も付けずに報道していますが、日本を始め自由主義国家の国会とはまったく異なるもので、そろそろ表現を変えてもらいたいものです。特にわが国の新聞やテレビが中共に忖度しているとは思いませんが、世界の笑いものになってしまいます。

 そもそも、3千人くらい参加している代議員なる人たちですが、各地域(日本だったら選挙区)から人民の選挙で選ばれた代表でも何でもありません。それぞれの地域の共産党組織が提出した名簿に載っている人が代議員になるだけです。共産党の意に沿わない人は代議員になることは絶対にありません。

 また、省、直轄市、自治区にも「人大」があることはありますが、これも都議会や横浜市会のように有権者から選ばれたのではなく、例えば広東省党委員会や上海市党委員会の眼鏡にかなった、中共に従順である人間だけがその地域の議員になれます。それでは、中共の幹部は誰が決めているかということですが、これも内部でやっているだけで、民主的手続きなどは皆無です。

 さらに、毎年のことですが、中国や日本のマスコミは全人代の議案採決で何票、何十票の反対が出たと嬉しそうに書きますが、これも中共がとりあえず、民主的な臭いを醸し出すための演出で、本当に反対票を投じれば、その人は行方不明になることでしょう。所詮、共産主義国家の議会なんてそんなもので、あってもなくても結果は同じです。政協に至っては何のために存在しているのかさっぱり分かりません。

 また、全人代の会場ではすごく綺麗な民族衣装を着た少数民族と思われる代議員が写し出されることが多いのですが、ご本人には責任はないものの、「中国共産党はこんなに少数民族を大切にしている」というヤラセに過ぎません。また、会場には軍服を着た代議員も多いのですが、彼の国では“文民統制”などという制度はなく、軍隊内部には政治将校という思想統制軍人がいます。

 さて、タイトルの両会の開催ですが、習近平さんとしては何としても全人代で感染症の終息宣言というか、勝利宣言を声高らかに叫びたいはずです。でも、現在の感染状況からはかなり苦しいでしょう。その場合はもともと存在価値がない両会ですから、延期も考えられますね。日本への国賓来日はどうやら先送りになりそうですが、習近平さんと中共の威厳が保たれるかどうかの瀬戸際ですから、さらに今後の展開に注目します。

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