立憲民主党を責めてはいけない

 医学や医療の歴史は感染症との戦いだったと言ってもよく、そのことは、日本が誇る世界的に名前が知られている野口英世さんと北里柴三郎さんが細菌や感染症の専門医であったことからも分かります。

 また、これまでに人類がほぼ完全にウイルスに打ち勝ったのは“天然痘”だけで、不謹慎な表現ですが、圧倒的に私たち人間が負け越しています。SARSなども封じ込めることができましたが、特効薬が未だにあるわけでもありません。

 何せ相手は40億年も形を変えながら生きながらえているのですし、我が方はせいぜい20万年しかありせん。しかし、ペストやスペイン風邪のときもそうでしたが、完全に人類を滅ぼそうとも考えていないようです。

 そして、私はと言えば、感染症や疫学を研究している先生方の文章をできる限りたくさん読んでいます。もちろん、それらは医師や専門家ではない私たちに理解できるものであり、学会の論文などではありません。

 合わせて、フェイスブックなどへの関連投稿も時間の許す限り、見るようにしています。そこからのリンクがとても参考になることもありますし、政治関係のお友だちも多いので、仮に自分と反対の考え方でも同様です。

 それで、困ったことに同じ感染症や呼吸器内科の医師でも言われていることが、正反対であったり、かなり政治的な発言であったりすることです。例えば、マスク一つでも「着けていてもそれほど効果はない」という先生もいます。

 また、クルーズ船に2時間だけ乗り込んで、英語版を含めてYouTubeを使って持論を展開された国立大学の教授も、「日本政府の対応はクルーズ船と和歌山の病院以外は正しい」と言われていましたし、彼の発言で船内が改善されたのも事実でしょう。

 そのような状況で、安倍総理が全国の学校に大幅な春休みの前倒しを「要請」しました。これについても、賛成派、反対派がそれぞれの声を上げていますが、何かと安倍さんの言動を批判している石破茂さんの発言を聞けば、おおよその判断はできます。

 その一方、立憲民主党は「場当たり的だ!」と厳しく批判していますし、同党参議院幹部も「すぐ撤回すべきた!」と声高に叫んでいました。毎度の国対委員長・安住淳さんは「万端な準備がないままに決断した可能性が高い」と言っていました。

 それから、国民民主党代表の玉木雄一郎さんは、「唐突感はあるが、子供の命と健康を守ることが最優先なので協力したい」と、とてもまっとうなことを語っていました。実際、彼は安倍総理に電話して対策の法整備を求めたそうです。

 ただ、残念なのは、立憲民主党の言動に対して、「難癖を付けることしかしない」「遅ければ後手後手と批判し、早急に対応すれば独善的だと批判する」との声が大きくなっていることです。批判の批判もけっこうですが、モリカケや桜とは本質的に違います。

 つまり、立憲民主党の皆さんは政権(とりわけ安倍さん個人)に対して何でもいいから難癖をつけること自体が仕事みたいなもので、それ以外はさして考えているとは思えません。そこのところを包み込まないと、彼ら彼女らの立場がありません。

 だいたい、すべての野党が安倍さんの決断に協力したら大政翼賛会みたいで気持ち悪ですし、世の中には何をやっても「安倍が悪い!」と主張する人たちが15%くらいはいますから、その人たちのためにも立憲民主党は必要でしょう。

 なお、「すぐに撤回すべきただ!」と最高幹部の一人が言われているのですから、立憲民主党は全国の所属地方議員に、「首長や教育長の指示を撤回する行動を!」と通達を出さなければ筋が通りません。政府の決定は「要請」ですからなおさらです。

 現実的には難しいと思いますが、長い春休みになるかならないかは、地方自治体の首長が決めたことですので、トライしてみる価値は十分にあります。その意味では立憲民主党の地方議員の真価も問われることになるでしょう。

 ちょうど、第1回定例会が都道府県&区市町村で開催されていますので、「区長と教育長は安倍総理の要請を受け入れるな!」と強く求め、駅頭でも有権者にそのことを訴えなければ、“まっとうな政治”を実現することはできません。