何も変わらないこれからの日常生活

 昨日で緊急事態宣言は解除されましたが、今までの日常生活の何かが変わることはなさそうです。東京都内では飲食店の閉店時間が午後8時から9時になるわけですが、もともと、ちょっとだけ飲むことが好きではありませんので、街中に繰り出すことはないでしょう。例えば、友人たちと午後6時30分から飲み始めたとしても、90分だけでは物足りませんし、だったら、楽しみを先送りした方がいいような気がします。ずっと、家呑みを続けてきましたので、それが数カ月延びたとしても、我慢の限界を超えるわけでもありません。

 それで、先が見えないのは仕方のないことですが、自分自身の区切りの目標としては、その1を全国の高齢者へのワクチン接種が終わった段階、その2を希望する国民の皆さんへのそれが完了した段階としています。様々の意見や考え方があるのでしょうが、政府や地方自治体は頑張っていると思いますので、未曾有の国難にはみんなで応援したいですね。ただ、接種によって集団免疫が確立されるには6~7割が必要と言われていますが、それも確定的ではないので、そこだけが少し心配です。

 また、宣言を解除したのですから、今後は再び三度、陽性者が増えるのはある意味、仕方のないことです。感染症は人の流れが増せば、それだけ罹患する人が増えるのは当然のことです。しかし、私たちも1年前から学習していて、何をやったら感染するのか、何をやらなければ感染しないのかが、ほぼ分かっているように思います。いろいろな批判がありますが、諸外国と比べても人口あたりの感染者は圧倒的に少ないのですから、もう少し余裕を持っても良いような気もします。

 それと、私は昨年まではどちらかいうと、COVID-19ワクチンについては「慎重派」でしたが、現在は「積極派」になりました。その理由は比較的簡単で、信頼している医師や専門家の方々がそのような考え方に移行されてきたこと、感染や発症、重症化などのリスクに対する効果が確認されてきたことです。もちろん、多くの皆さんが心配されている副反応についても、少なくても国や関係機関もちゃんと公表しています。これも安心できることでしょう。

 しかし、そのことも大切ですが、ワクチン接種が進んでくると、「接種したからマスクは必要ないよね」となり、それを見た接種がまだ先の人たちが不快感を示し、高齢者とそうでない人たちとが諍(いさか)いを起こす可能性があることが心配です。効果があるのではと伝えられていますが、現在の段階では人にうつしてしまうことが防げるかどうかははっきりしていません。ですから、最低でもすべての希望者への接種が終了するまでは、マスクの着用はマストとなると思います。

 そして、その段階になったら、さらに研究や臨床は進んでいるでしょうし、実際、16歳未満の人たちや妊婦さんへの臨床試験も外国では始まっていますので、それらをしっかりと参考にして態勢を考えればいいことです。日本の接種が欧米と比較すれば遅れているのは事実ですが、上述したように感染者や重症者の数は桁違いに少ないのですから、逆にそれがアドバンテージになっていると思います。仮に諸外国で重篤な例が続発していれば、わが国はワクチン接種を控えたでしょう。

 そのように考えれば、あまり腹も立ちませんし、「後手だ!後手だ!」と必要以上に叫ぶこともありません。繰り返しますが、政府の対応は確かに”後手”もあったと思いますが、国民の皆さんの冷静な行動、医療従事者の献身的な対処など、これだけの人口を抱えながらも優れていると、世界の国々が評価しています。例に出して申し訳ありませんが、フランスなどは何度も強制力を伴った外出禁止令を出しても感染が止まりません。

 私は先週と先々週、吉祥寺と新宿に行きました。マスクを着けていること以外は過去と変わらないのではと思うほど人出が多かったです(私もその一人ですが)。人流が増せば、感染症はそれに応じて患者が増えると述べましたが、このような街の風景を見ると、感染の発生源(場所)はどこなのかが理解できたような気がしました。先日もある都立病院の医師と看護師が“おいた”(特に自宅での2次会)をして、まとめて感染しましたが、COVID-19はこの行為に象徴されていると感じました。

 それから、この感染症が一定の収束をしたあとのことも今から少しずつ考えておかなければならないと思います。具体的にいくつかを挙げてみます。少なすぎる医師などの感染症専門家の人数、同じく感染症病床の数、地域における医師会と病院との連携(これについては、私も地域医療支援病院で活動をしているので、とりわけ関心があります)、ワクチン集団接種体制の確立、国産ワクチン生産への支援、保健所職員の質的向上、関連する法律のいっそうの整備などなど、やるべきことは文字どおり、山積しています。

 特に感染症の専門医ですが、3千人は必要とされていますが、現実にはその半分しかいません。大学医学部でも卒業後にこの分野を目指す学生はとても少なく、病理や法医学などと並んで、あまり人気のない専門分野ですが、変な言い方になるものの、今回のCOVID-19を契機として、その人数が少しでも増えることを期待しています。内科や小児科、外科や整形外科も当然、すごく大切な分野ですが、病理、法医学、感染症などもまったく同じで、新専門医制度などにも工夫が必要かもしれません。

 あと、余談なのですが、何人かの方から、「門脇さんは大きな病院の役員をやられているので、ワクチンを早めに打つの?」と言われることがあります。でも、心配していただくのは嬉しいのですが、医療財団の顧問を務めているものの、COVID-19の患者さんと接しているのではありませんので、国が定めた順番を静かに待つだけです。担当大臣の河野太郎さんは、「6月末までに2回の高齢者へのワクチン接種を行う」と言われていますので、それを信じ、仮に多少の遅れがあっても、文句は言わないことに決めています。

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