力強い「ノババックス」ワクチンの大量契約

 東京都などに発令されている緊急事態宣言もどうやら延長になりそうですが、その一方、ワクチンの接種率は急速に上昇しています。マスクの着用などは引き続いて必要ですが、COVID-19の発症と重症化を防ぐほとんど唯一の有効対策はワクチンですから、大いに期待できるでしょう。ただ、今後のワクチン量を確保するのはそんなに簡単なことではありません。

 それで、厳しい状況の中で、我が国政府はアメリカのバイオテクノロジー企業である「ノババックス」と来年始めから供給を受ける契約を結んだと発表しました。1億5千万回という数字ですから、これに追加提供が期待できる(総理の菅義偉さんが迎賓館でCEOをもてなしていました)ファイザー製や製品化が急がれている国産ワクチンも加われば、一安心ですね。モデルナ製の5千万回分の確保も決まっています。

 ところで、私たち国民が接種しているワクチンは、ファイザーとモデルナがmRNA、アストラゼネカがウイルスベクターという種類ですが、ノババックスは「組換えタンパクワクチン」になります。もちろん、私は専門的なことは分かりませんが、周辺の医師など聞いてみると、安全性には問題ないだろうと言っていました。当然、国の薬事承認が必要になりますが、名称から不安になる方もいるでしょう。

 そこで、この種類のワクチンを接種している国があるのかを調べてみると、ありました。その国は台湾(中華民国)で国内の「高端疫苗生物製剤股份有限公司」という企業が製造しています。英語名は「MEDIGEN VACCINE BIOLOGICS CORP」ですが、台湾といえば、世界でもっとも感染対策に成功している国家と言われていますし、一時の感染も再び封じ込めることができています。

 それから、きょうの写真ですが、真ん中の女性が台湾大統領(中華民国総統)の蔡英文さんで、看護師と思われる女性が接種しているのはこの高瑞製ワクチンです。台湾では蔡さんが所属する民進党(民主進歩党)と国民党(中国国民党)の対立が激しく(余談ですが、それに比べれば自民党と立憲民主党のそれはおままごとのようです)、紆余曲折ありましたが、総統自ら接種を受けました。

 いつも日本に最大限の理解を示してくれている蔡英文さんの行動は、来年から同じ種類のワクチンの接種が予定されている我が国にとってもすごく参考になると思います。なお、彼女はこの会場で、「感染症の予防からワクチンの接種に至るまで、医療従事者たちがいつもその最前線に立ち、国民の健康と安全を守っている」と言われたそうです。これは台湾も日本も同じですね。

 あと、中国共産党はシノバック社とシノファーム社の製品を使っています。種類は「不活化」となり、東南アジアなどにも積極的に輸出していますが、それなりに効くものの、それらの国々では2回の接種のあと、不安になっている様子で、追加でファイザーなどの使用を考えているようです。まだまだ、ワクチン接種には隘路はありますが、少なくても私たちは諸外国と比較すれば、恵まれていると思います。

 なお、写真右下はノババックスワクチン瓶、同左は高端ワクチン専用注射器が入った箱で、このワクチンは2~8度で冷蔵保存でき、日本では武田薬品工業が国内の工場で生産するようです。台湾と蔡英文さんには失礼な言い方になって申し訳ありませんが、ノババックスと同じ種類のワクチンを我が国からの視点で見れば、いわば臨床試験をやっていただいているわけで、その点でも感謝です。