グラフはきょう現在の最新のものですが、日本のCOVID-19ワクチン接種完了者の割合が世界で3番目になりました。これは本当にすごいことで、マスコミや一部の野党は、「後手だ!後手だ!」と騒いでいましたが、政府や自治体、医療機関の懸命な努力はもちろんのこと、国民の皆さんの意識の高さが、誤魔化しようのない数字に表れていることは間違いないでしょう。
これから、年末年始に向けて3回目の接種が始まりますが、忘れてならないのはまだ1回の接種さえしていない人たちが少なからずいることです。何らかの疾患があり、接種できない人以外はその機会もかなり狭まってきますので、できるだけ、年内に2回の接種を終わってもらいたいです。それがご自身も周りの方々も救うのですから、上から目線で恐縮ですがお願いします。
ただ、ここに来て、世界の情勢は再び厳しくなってきました。逆に言えば、どうしてほぼ我が国だけの感染者数が落ち着いているということですが、その理由を明確に説明できる人は誰もいません。つまり、日本も欧米や韓国のようになってしまう可能性はこれまた、誰も否定できません。もう、耳たこですが、不織布マスク、寒いけど換気などのさらなる徹底しかないのでしょう。
それで、英国ですが、ほかの欧米諸国とは違った対策を続行中です。この国では首相や政府関係者はワクチン接種を進めながら、かつて取り組もうとした集団免疫獲得を目指しているようです。当時は失敗したのですが、ワクチンがここまで広がってくると、あとは基本的に何もやらないというやり方も失礼ながら、成功するのかどうか、すごく関心があります。
しかし、ここ数日で名前を聞くようになった「オミクロン」なる新種株が猛威を振るうようになると、さすがの英国も何らかの対応をしなければならなくなるでしょう。とにかく、アメリカのニューヨーク州では非常事態が宣言されましたし、いたずらに恐怖感を煽るのはご法度ですが、日本も含めて世界中がかなりの緊張感を持ち始めていることは事実です。
なお、新しいオミクロン株に感染拡大を警戒して、英国ではレストランなど店舗内部や公共交通機関でのマスク着用を3週間の期間限定で義務化したようです。同時に3回目の接種を急ぐように国民に呼びかけました。私たち日本人が思っている以上にこの新種株は深刻である可能性はありますし、結局は英国も基本路線を修正しなければならなくなってしまいました。
同時にあれだけ猛威を振るった「デルタ株」の名前を聞くことは最近になって激減しています。一時は最後通牒のごとく突きつけられ、世界を恐怖のどん底に陥れたのに、まるで消えてしまったかのように静かになっています。この新種株はこれからどのようになるのでしょうか。個人的にはあまり心配し過ぎても、その逆でも良くないように思います。
それから、韓国の感染の拡大は英国と異なり、重傷者や死者の数も最悪になっています。この国は我が国以上にマスクはきちんと着けていますし、接種率も世界第2位です。こうなると、「???」となってしますが、もしかしたら、接種しているワクチンの種類に問題があるのかもと思いますが、医師でもない私が余計なことを言うのはこのくらいにしておきます。
ちなみに、医師である友人は、「韓国はファイザー、モデルナ、アストラゼネカ以外にもJ&Jの『ヤンセン』(1回接種で完了))というワクチンも使っている。その割合は5%くらいのようだが、これとブレイクスルー感染との関係は調べる必要があるだろう」と言っていましたし、関連性は不明ですが、フランスの3回目の接種ではこのワクチンとAZが外されています。
また、ワクチンの接種率が大きく感染者、重傷者や死者の数を抑えていることは事実ですが、台湾では頑張っているものの、それはまだ5割ほどです。一方、国民全員が一歩外に出れば、マスクを着用していますし、感染者は全国でゼロか数人です。こうなってくると、ますます分からなくなってきますが、だからこそ、繰り返して申し上げているように、「基本の徹底」しかないのでしょう。
街に賑わいが戻り、仲間と会うことができるようになったのは素敵なことなのですが、免疫学者である宮坂昌之先生が言われているように、「人のふり見て我がふり直せ」の気構えがもっとも大切に思えるのです。一人ひとりが感性を研ぎ澄ませ、危ないと思ったら躊躇なく撤収することでしょう。お付き合いも絆も必要ですが、少なくても物理的な距離はしばらくの間、保っていたほうが良さそうです。