意外に支持が多いマクロンさんの発言

 ヨーロッパではイギリスがEUから脱退し、ドイツも長い間に渡って首相を務めたメルケルさんが一線を引き、何となくフランスが相対的に影響力を増しているように感じています。そんな政治環境で、3カ月後に大統領選挙が行われます。

 もちろん、フランスの大統領はフランスの国民が決めることですが、前述のような事情もあり、我が国も無関心ではいられません。極めて個人的ですが、1回目で現職が勝利することを願っています。これは日本にとってという意味です。

 それで、マクロンさんと言えば、我が国ではワクチン未接種者に対する発言、例えば、「うんざりさせる措置をとる」などが注目されています。どのように“うんざり”させるのか分かりませんが、多分、接種を義務化することでしょう。

 そして、この発言に対して彼の国では10万人単位のデモが行われていたり、左派やリベラルから大きな批判が起こったりしています。しかし、彼は撤回するどころか、「一部の国民(未接種者)が自由に振る舞い無責任になるならば、それこそ国の分断だ」と厳しく批判しています。

 日本ではちょっと考えにくいのですが、大統領選挙を目前に控えてこの強気の発言の源はどこにあるのでしょうか。これも推測ですが、あまり表に出ない、報道されないものの、実は少なくない国民がこれを支持しているような気がします。

 先日もフランスのテレビ局の取材に病院の看護師さんが、「身体的理由ではない人がワクチンを打たずに感染して、それを私たちが看護しなければならないって不公平です」と怒っていました。多くの国民にも同じような思いがあるのでしょう。

 翻って、日本では幸いにしてこのようなことは起こっていません。ワクチン接種はG7ではトップですし、マスクを着けない人もいることはいますが、着用率が9割超であり、これも世界で最上位クラスです。しかも、どちらとも強制ではありません。

 今後の感染がどのようになるのか見通すことは困難ですが、それでも桁違いに少ない感染者数などを考えれば、著しく悲観的になる必要もないと思います。そのためにも、マスク、手指消毒、換気を維持し、3回目の接種を待つことが大切でしょう。